2026年8月10日の午前7時30分すぎ、コロンビア西部チョコ県のサン・ホセ・デル・パルマル近郊を震源とするマグニチュード7.4の激しい地震が同国を襲った。米地質調査所によると、およそ1,050万人が揺れを感じたとされ、コーヒー生産の心臓部として知られる地域を中心に多層階のビルや住宅が次々と崩落した。
マグニチュード7.4の激震が襲ったコロンビア西部と膨らむ人的被害
都市機能を失ったペレイラとカリの惨状
リサラルダ県の州都であるペレイラでは、夜間も電力供給が途絶え、暗闇に包まれた街で救助作業が行われた。住民の一人は「電気も止まっている。ここは正直言ってゾンビの街のようだ」とフランス通信社の取材に語っている。現地から伝えられた生々しい証言が、その深刻さを物語る。

ペレイラの空港では、激しい揺れの中で天井のコンクリート片が落下し、避難する旅行客が悲鳴を上げながらがれきの中を走り抜ける映像が確認されている。一方、人口約220万人を抱えるカリでは、少なくとも85人が死亡した。同市の病院では小児科病棟を含む高層階が崩落し、入院患者約600人ががれきの散乱する路上での治療を余儀なくされたと、病院長のイルネ・トレス・カストロ氏が報じている。カリ市内の病院が受けた壊滅的な打撃について、その詳細が明らかになった。
発足間もない政府の緊急対応と治安維持への懸略
就任からわずか3日後という異例のタイミングで大災害に見舞われたアベルルド・デ・ラ・エスプリエジャ大統領は、直ちに非常事態を宣言した。大統領は軍と警察の全組織を総動員する方針を表明し、被災地での陣頭指揮を執っている。

治安面では、略奪の報告が相次いだカリなどの都市で夜間外出禁止令が発令された。デ・ラ・エスプリエジャ大統領は、夜明けまでに治安部隊1,000人をカリへ急派すると発表し、「国民を守る、あるいは連帯を示すにあたって、区別やイデオロギーの分裂は存在しない」と報道陣の前で強調した。政府による一連の治安・救助対策の全貌が伝えられている。
全国からの連帯と市民による安否確認プラットフォーム
広範囲にわたる被害に対し、国内各地から救援の手が差し伸べられている。バランキージャのアレハンドロ・チャール市長は、医療や救助の専門知識を持つ41人の救助隊を軍用機でカリへ派遣した。さらに、同市の医療ネットワークでは病床や集中治療室の受け入れ枠を開放し、被災者の広域搬送に備えている。バランキージャ市が講じた具体的な支援体制のもと、物資集積所も24時間体制で稼働している。
また、行方が分からない家族や知人を捜すための市民参加型プラットフォーム「colombiatebusca.
ペレイラ住民のフアン・ダビッド・ガイタン氏はCbsnewsに対し、電力供給が途絶えており、ここは正直言ってゾンビの街のようであると述べている。
国際社会の支援と今後の課題
米国政府も支援の動きを強めている。国務長官のマルコ・ルビオは、トランプ政権が地震への対応を注視し、コロンビア国民を支援する用意があるとの声明を発表した。米国務省による支援の表明を受け、南フロリダのコロンビア系コミュニティや人道支援団体も物資の発送に向けた動きを急ピッチで進めている。
かつて1,000人以上の死者を出した1999年のコーヒー産地地震の記憶がよみがえる中、現在の最優先事項は依然として生存者の捜索と救出にある。余震の危険やインフラの完全復旧のめどが立たない中、被災地では厳しい状況のなかでの懸命な夜間作業が続けられている。