8月7日金曜日、保守派のアベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ氏がコロンビアの新大統領に就任した。就任式は、伝統的に行われる首都ボゴタではなく、治安が不安定な南西部の都市カリにあるサンティアゴ・デ・カリ大学のUSCアリーナで開催された。これは、同地域で活動する不法武装勢力に対し、強硬なアプローチを取るという姿勢を象徴的に示すための措置とされる。
48歳のデ・ラ・エスプリエジャ氏は、6月21日に行われた接戦の決選投票で、前大統領のグスタボ・ペトロ氏の同盟者であるイバン・セペダ上院議員を破り、当選した。公職の経験はなく、弁護士および実業家として築いた私財を投じて選挙戦を展開した「アウトサイダー」としての経歴を持つ。今回の就任により、2026年から2030年までの任期が開始される。また、同日にはホセ・マヌエル・レストレポ氏が副大統領に就任した。
「軍事目標」への警告と治安政策の転換
自らを「エル・ティグレ(虎)」と呼ぶデ・ラ・エスプリエジャ大統領は、武装勢力との交渉を重視したペトロ前政権の政策を、平和プロセスは失敗したとして否定し、決別することを誓っている。就任式後、同氏はカリの軍事大隊を訪問し、軍の士気を高めるとともに、不法武装勢力に対し、投降しなければ「軍事目標」として扱うことを警告する方針だ。
コロンビア国内では、10年前に署名された和平合意を受け入れなかった旧コロンビア革命軍(FARC)の解散派、クラン・デル・ゴルフォ・カルテル、国民解放軍(ELN)などのグループが、麻薬密売や不法採掘などの違法経済を巡って争っている。デ・ラ・エスプリエジャ氏は、麻薬密売対策のための地域連合である「アメリカ大陸の盾(Shield of the Americas)」にコロンビアを統合させる意向を示している。
国際的な支持と右傾化する地域情勢
就任式には、スペインのフェリペ6世国王、米国のトッド・ブランシュ司法次官、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が出席したほか、アルゼンチナのハビエル・ミレイ大統領、エクアドルのダニエル・ノボア大統領、チリのホセ・アントニオ・カスト大統領ら中南米の首脳陣が顔を揃えた。
国際危機グループ(International Crisis Group)のアンデス地域分析官、グラエルディス・ゴンザレス氏は、デ・ラ・エスプリエジャ氏の権力掌握が、中南米の多くの地域で見られる右傾化を強化し、減少傾向にある左派政権に対抗する保守政権の地域ブロックを強固にすると分析している。
国内の分断と抗議活動
就任式当日、カリのプエルト・レジステンシアなどの地域やボゴタ、バランキージャでは、学生団体や社会団体による抗議デモが発生した。2021年に大規模な反政府デモの中心地となったカリでは、市民が「ここでは彼(デ・ラ・エスプリエジャ氏)は勝っていないことを知らせている」と訴える場面が見られた。

ペトロ前大統領は就任式を欠席し、大統領府を去る際に「民意を尊重する」と述べた。一方で、ペトロ氏は南西部の社会運動に対し、自称「ファシスト」からの攻撃に備えて「人民民兵」を組織するよう促しており、専門家は、新大統領の強硬姿勢とペトロ氏の呼びかけが相まって、デモ中の衝突や当局による強制的な対応の可能性が高まると指摘している。
就任式の概要

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 就任日 | 8月7日(金) |
| 就任場所 | カリ、サンティアゴ・デ・カリ大学(USCアリーナ) |
| 新大統領 | アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ(48歳) |
| 新副大統領 | ホセ・マヌエル・レストレポ |
| 任期 | 2026年〜2030年 |