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米国・イラン紛争 ブレント原油価格急騰

7月 20, 2026 / nipponese
中東情勢の緊迫化と原油価格の急騰

2026年7月20日現在、米国とイランの紛争激化を受け、ブレント原油価格が1カ月ぶりの高値となる1バレルあたり91.42ドルまで急騰しました。ホルムズ海峡を通じたエネルギー供給への懸念から、世界市場ではインフレ再燃への警戒感が強まっており、各国政府や企業は対応を迫られています。

中東情勢の緊迫化と原油価格の急騰

中東における軍事衝突の拡大は、世界的なエネルギー市場に深刻な影響を及ぼしています。ブルームバーグの報道によると、ブレント原油先物は1バレルあたり91.42ドルまで上昇しました。この価格水準は2026年6月以来の高さであり、米国とイランによる相互の攻撃が軍事施設を超えて拡大していることが背景にあります。また、米国とイスラエルによる合同攻撃と、それに対する報復措置がペルシャ湾のエネルギーインフラを標的としたことで、日曜夜の取引開始からわずか数時間で原油価格は10%以上急騰しました。

中東情勢の緊迫化と原油価格の急騰
Photo: Tempo

過去の動向を振り返ると、2026年3月6日にも中東情勢の緊張が供給ルートを分断し、ブレント原油が一時1バレルあたり90ドルに達するなど、市場は過去2年間で最大級のショックに直面しています。当時の米国大統領ドナルド・トランプ氏による対イラン強硬姿勢の要求が、ホルムズ海峡を通じたエネルギー供給の途絶に対する恐怖を煽りました。その後、4月にはブレント原油が一時117ドルまで高騰したものの、米イラン間の和平合意により78ドル付近まで急速に修正されるなど、紛争の動向が価格に極めて敏感に反応する状況が続いています。

供給リスクとホルムズ海峡の重要性

市場の最大の懸念点は、世界の石油供給の20%以上が通過する「ホルムズ海峡」の機能不全です。現在、海峡付近で少なくとも2隻の船舶が攻撃を受け、主要な海運各社はタンカーの航路変更を余儀なくされています。海峡の通行リスクを避けるため、多数の船舶が海域の外で停泊を続けており、イラン側も船舶の進入を警告しています。

供給リスクとホルムズ海峡の重要性
Photo: Indiatimes

海運分析会社Vortexaのデータによれば、タンカーが安全に海峡を通過できない影響で、日量700万〜1100万バレルの原油と、400万〜500万バレルの石油製品が市場から消滅していると推定されます。結果として、日量約1600万バレルの原油がペルシャ湾内に孤立している状況です。この供給途絶リスクを反映し、米国産WTI原油も過去の取引セッションで8%超の急騰を記録するなど、市場のボラティリティは極めて高まっています。

インド経済への波及と企業への影響

原油価格の高騰は、エネルギー需要の約85%を輸入に頼るインド経済にとって重大なリスクとなっています。インドの経済専門家は、インフレ圧力の増大、経常赤字の拡大、および企業収益の悪化を懸念しています。Elara Capitalの調査部門副責任者兼エコノミストであるGarima Kapoor氏は、エネルギー集約型の産業が最初に影響を受けると指摘しています。

インド経済への波及と企業への影響
Photo: Economictimes

一方で、ONGCやOil Indiaといった上流部門の石油・ガス生産企業にとっては、価格上昇が1バレルあたりの収益を押し上げ、利益率の改善や探査への資本支出を支えるという側面もあります。実際、中東での紛争激化を受け、これらの企業の株価は2%近く上昇しました。

インドネシアのエネルギー価格見通し

インドネシアにおいても、原油価格の変動は国内燃料価格に直結しています。パジャジャラン大学(Unpad)のエネルギーエコノミストであるYayan Satyaki氏は、Pertamaxなどの非補助金燃料価格について、2026年12月までに段階的に引き下げられるとの予測を発表しました。

Yayan氏の予測では、インドネシア原油価格(ICP)は2026年12月までに1バレルあたり90.6ドルまで徐々に低下し、為替レートも1ドルあたり17,927ルピアから16,959ルピアへと強化される見込みです。同氏は、DexliteやPertamina Dexといった燃料種ですでに価格改定が行われていることを挙げ、「非補助金燃料価格を引き下げる余地がある」と述べています。