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2026-01-03 08:30:00
- 富裕層は、非伝統的な投資戦略を活用する傾向が強い。
- 貯蓄型生命保険を選択し、証券担保融資を活用し、不動産を好む。
- こうした手法は、柔軟性が高く、税制面でメリットが多いうえ、運用資産を早期から活用できる。
オースティン・ディーン氏は、複数の金融アドバイザー資格の取得を目指して学習を始めた。だが、それらのカリキュラムに全面的に納得していたわけではなかった。
これらカリキュラムは、伝統的な金融理論に基づいて設計されており、「退職年金口座に最大限拠出して将来に税金支払いを繰り延べよう」といったアドバイスが中心だった。
ChFC(チャータード・フィナンシャル・コンサルタント)、CLU(チャータード・ライフ・アンダーライター)、CFP、RICP(退職所得認定専門家)など複数の資格を保有するディーン氏は、経済的自立の実現に強い関心を持っていた。しかし、59.5才以前に引き出すとペナルティが課せられる退職年金口座に資産の大部分を固定した状態で、どのように経済的自立を達成するのか疑問を抱いていた。
そこで、富裕層の貯蓄・投資方法を分析することにした。その結果、富裕層のやり方は講義で学んだものとは大きく異なることがわかった。これが、後に2021年に設立することになる登録投資助言会社のウェイストーン・アドバイザーズ(Waystone Advisors)の理念の基礎となった。
「富裕層が富を築いたのは、401(k)に上限まで拠出して、外でコーヒーを買わず節約をしたからではない」とディーン氏は言う。
「会社を立ち上げ、M&Aを行い、不動産に投資し、キャッシュフローを最優先してきた。さらに、銀行のような役割を果たし、倫理的な善悪に関わらず、ツールとして負債を活用している。また、生命保険や非退職年金口座といった流動性の高い資産に資金を置いている。これが富裕層のやり方だ」
ディーン氏がクライアントに教えているフレームワークの一つが、「資産設計の3つの柱」だ。ここでは資産を、「安定資産」「市場価格に基づく資産」「インカム資産」の3つに分類している。
それぞれの資産には、伝統的と非伝統的な手法がある。ディーン氏は、富裕層が好む非伝統的な手法とその理由を次のように説明してくれた。
1. 安定資産:
大衆は「銀行」を選ぶが、富裕層は「貯蓄型生命保険」を活用する
安定資産を短期的な資金としてとらえてみよう。これら資金は通常、安全性と流動性を引き換えに、収益性を犠牲にすることが多い。一般の人は、安定資産を高金利預金口座やマネーマーケットファンド、CD(譲渡性預金)に置く。
一方、非伝統的な手法としては、貯蓄型生命保険の活用が挙げられる。貯蓄型生命保険は、保険料の一部が別の解約返戻金勘定において非課税で運用され、加入者はその資産を生涯にわたって利用できる。資産の成長の仕方は生命保険の種類によって異なる。たとえば、ユニバーサル生命保険は市場連動型が多く、終身保険は一定の保証利回りの貯蓄口座のような役割を果たす。
生命保険をうまく活用すれば、実質的には銀行口座よりも優れた商品になりうる、とディーン氏は言う。
「生命保険の利回りは、銀行口座よりもはるかに高い。そのうえ、家族や事業を守るという保険本来の機能も備えている」
だが、どの生命保険会社も同じではなく、保険契約は投資家一人ひとりの状況やその目的に応じて適切に設計される必要がある、とディーン氏は言う。
「生命保険はそもそも、富裕層が税制優遇措置を活用しながら資産を増やし、次世代に引き継ぐことを目的として作られている。だが、どのような金融ツールであっても、使い方次第で、効果的にも不適切にもなりうる」
「しかし、保険に熟知している専門家と協力して適切に設計できるならば、生命保険は資産を分散するうえで活用しやすい優れた手段になる」
2. 市場価格に基づく資産:
大衆は「退職年金口座」を利用するが、富裕層は「SBLOC」を使う
市場価格に基づく資産にエクスポージャーを取るために、401(k)やIRAのような伝統的な退職年金を使うのが従来の手法である。これらは節税効果が高いすばらしい貯蓄商品だが、通常は59.5才以前の引き出しには10%のペナルティが課せられる。ディーン氏がこれら口座を「金の監獄」と呼ぶゆえんである。
市場に投資しながらも、投資家が柔軟に資金を管理できるもう一つの方法が、証券担保ローン(SBLOC)だ。
証券担保ローンは、保有する株式やその他資産を担保として借り入れる融資のことである。保有する投資商品を売却してキャピタルゲイン課税を支払うことなく、手っ取り早く現金を利用できるので、投資家はその資金を事業の立ち上げや不動産購入など別の投資に活用できる。
「市場に投資しながら、資金を別の資産形成ツールとして使うという二刀流が可能になる」とディーン氏は言う。
主なリスクとしては、多額の借入や株式市場の暴落だ。
「常に借入可能額と利用額との間にバッファーを設けておくことが大事だ。市場が予想外に大きく変動した場合に備えて、他の流動資産や予備として与信枠を用意しておくことを勧める」とディーン氏は説明する。
3. インカム収益資産:
大衆は「社会保障」を当てにするが、富裕層は「不動産」に投資する
インカム収益資産には、公的年金や私的年金といった社会保障がある。退職年金口座と同様、社会保障も自由度や柔軟性には制約がある。
「社会保障も少なくとも62才になるまでは利用できない。現時点では通常、67才以上で支給される。年金もやはり、年齢による流動性やペナルティといった制約を受ける」
一方、富裕層は不動産投資によるパッシブな経常収益を選好する。不動産投資といっても千差万別だ。不動産を購入し、長期または短期の家賃収入を得る方法もあれば、不動産への共同投資という手もある。これは、経験豊富なシンジケーターと手を組めば、優れたリターンを得られるほったらかしの不動産投資戦略だ。あるいは、不動産投資家のために銀行のように資金を貸し出し、2桁の金利を獲得するプライベート・レンディングという選択肢もある。
こうした非伝統的な資産運用計画は、誰にでも適しているわけではない。だがディーン氏は、こうした選択肢があることを理解してもらい、富裕層と大衆との違いを感じてほしいと言う。
投資戦略を変更する前に、自分の資産目標を明確にすることが大事だ。
結局のところ、「60才とか65才の時に退職年金口座に多くの資産があることを目標とするならば、その戦略を続ければよい。だが、経済的自立や早期退職を目指し、貯蓄口座にある多額の資産を60代まで使えないのは困ると思うならば、それまで待たなくても活用できる資産は何かを考える必要がある」
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