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2025-07-29 10:00:00
- ニューヨーク大学のスコット・ギャロウェイ教授はAIについて深く考えを巡らせている。
- ギャロウェイは、AIが職場をどう変えているのかを説明するために、いくつかの比喩を使った。
- 彼は、AIを「企業版オゼンピック(痩せ薬)」や「Wi-Fiを備えた東ドイツのシュタージ(秘密警察)」のように考えればいいと語った。
AI(人工知能)は職場の環境を急速に変化させており、従業員にとっても経営者にとっても、その変化についていくことがこれまでになく難しくなってきている。
ニューヨーク大学スターン経営大学院(New York University Stern School of Business)の教授でポッドキャスト「教授gポッド」のホストを務めるスコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)は、マイクロソフト(Microsoft)のチーフサイエンティストのジェイミー・ティーバン(Jaime Teevan)やAI教育企業セクション(Section)のグレッグ・ショーブ(Greg Shove)CEOとの対談の中で、AIが職場に与えている影響を一般の人にもわかりやすく、いくつかのたとえ話にして説明した。
以下にギャロウェイが紹介した話の中でも特に印象的なものを紹介する。
企業版「オゼンピック」
多くの企業の経営陣や取締役会はコスト削減の手段としてAIを活用している。ギャロウェイは、このような状況でのAIには「グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)」という薬と似た性質があると考えていると話している。
私はAIを「企業版オゼンピック(Ozempic)」だと考えている。
(2型糖尿病の治療に使用される注射薬である)オゼンピックは脳の中で、『もうこれ以上カロリーを取る必要はない』という働きのスイッチを入れる。たとえ、塩辛いものや甘いもの、脂っこいものが目の前にあって、本能的にはできるだけ多くのカロリーを摂りたいと思っていてもだ。
一般的に、CEOが会社を成長させようとするときは、「もっとカロリーが必要だ。もっと人手が必要だ」というシグナルを出す。ところが、イーロン・マスク(Elon Musk)はツイッター(Twitter)(現X)のスタッフを20%に減らして最低限の機能を提供し、メタ(Meta)は重要な決算発表で、「スタッフの20%を解雇したが、成長率は23%を維持し、利益は70%増えた」と発表した。
こうして皆が、人材というカロリーが不足していても、成長の喜びを味わいたいと考えるようになった。AIはまさにオゼンピックなのだ。
Wi-Fi付きの東ドイツの秘密警察「シュタージ」
AIの「ダークサイド」は、低い成果しか出せない人を簡単に見つけ出せることにあるとギャロウェイは指摘している。彼はこれを冷戦時代の東ドイツにあった秘密警察のシュタージ(Stasi)になぞらえている。シュタージは広範囲にわたって徹底的に監視を行っていたことで悪名高かった。
今は、ある人とやりとりしたメールやSlackをすべてコンピューターに示し、「この人は1週間にどれくらい働いているか教えて」と聞ける。AIが出した「この人は週に何時間働いている」という数字は、実際の時間と違うかもしれない。しかし、その数字を見て「このくらい働いているんだな」と判断の目安にする。だから、正確かどうかではなく、その数字をもとに「この人はこれくらい働いている」というイメージが出来上がるのだ。
「戦士製造機」
しかしながら、アメリカの労働者の上位10%にとって、AIは大きな追い風になるとギャロウェイは考えているという。
本当に優秀な人にとっては、これは非常に良いことだろう。アメリカではこれまでの約50年間で、経済の仕組みが上位10%の人々を中心に回るように変わってきた。企業も国も、働く人の下位90%の人の努力や成果を土台にして、上位10%の人をより裕福にする仕組みを作り上げたのだ。AIはそれをさらに加速させる。AIは一生懸命働き、創造的であり、このツールをうまく活用できる上位10%の人を、まさに戦士に変えるだろう。つまり、彼らはまさにモンスターのような存在になるだろう。
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