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3児殺害のリンジー・クランシー被告の裁判が開始、元夫パトリック・クランシー氏が証言へ

7月 26, 2026 / nipponese
Lindsay Clancy in court; Lindsay and Patrick Clancy's three young children sitting on the couch together in undated photo

マサチューセッツ州ダックスベリーで起きた幼い3児の殺害事件をめぐり、殺人罪に問われた元看護師リンジー・クランシーの裁判が開始される。弁護側は産後精神病による刑事責任能力の欠如を主張する一方、検察側は計画性を立証する構えで、夫パトリック・クランシーの証言が初日の法廷の焦点となる。

パトリック・クランシーの証言と法廷を包む緊迫感

マサチューセッツ州プリマスの裁判所で、全米の注目を集めるトリプルマーダー裁判がいよいよ本格的に幕を開ける。最初の証人として出廷が予定されているのは、被告の元夫であるパトリック・クランシーである。検察側の冒頭陳述に続き、パトリックは夫婦の日常や事件当日の様子、そして当時の妻の精神状態について尋問を受ける見通しだ。

事件が起きたのは2023年1月24日。夫が夕食のテイクアウトや子供の薬の買い出しに外出している間に、当時35歳のリンジー・クランシーは自宅地下室で、エクササイズ用レジスタンスバンドを使用して5歳のコーラ、3歳のドーソン、生後8カ月のカランの3人の子供たちの首を絞めて死亡させた。その後、自らも首や手首を切り、2階の窓から飛び降りて自殺を図ったものの生存し、現在は車椅子生活を送っている。

産後精神病と過剰投薬をめぐる法廷の争点

事件そのものの事実関係については争われていない。検察側は、リンジーがレストランや薬局までの距離をネットで事前に検索していたことなどから、計画的な犯行であったと主張している。これに対し、弁護側は重度の産後精神病と過剰に処方された薬物の影響により、被告が善悪の判断力を失っていたとして無罪を訴える構えだ。

Judge weighs key motions in Lindsay Clancy trial

裁判の行方を左右するのは、被告が犯行時に自分の行動の結果を認識できていたかどうかという精神状態の評価である。元検察官のマーク・ベデロウは、事件の本質について以下のように指摘している。

Photo: ABC7 Chicago

弁護人を務めるケビン・レディングトンは、被告が幻聴に支配されていたと訴えている。医療提供者を相手取った民事訴訟の中で、被告は次のように当時の状況を証言している。

私はすべてのコントロールを失いました。私の体は、私の側で制御することなく行動し始めました…私はただ「すべての行動」という命令に従っていただけでした。この声は行動を求めました。 リンジー・クランシー、被告

訴訟文書によれば、被告は第三子の出産後から不安、うつ、不眠、幻聴、希死念慮に苦しみ、2022年10月から2023年1月の間に複数の医師を訪ねて抗うつ薬や鎮静剤、抗精神病薬などおよそ12種類の薬物を処方されていた。精神科病院への入院歴もあったが症状は改善せず、弁護側は医療側の不適切な投薬管理が事態を悪化させたと主張している。

夫パトリックの証言と法医学的背景

パトリック・クランシーは検察側の証人として法廷に立つ一方、弁護側の証人リストにも名を連ねている。彼は妻を許す姿勢を示しており、過去のインタビューでは妻の変貌について率直な思いを語っている。

Photo: The Guardian

過去の類似事例としては、2001年にテキサス州で5人の子供を溺水死させたアンデア・イエーツの事件が挙げられる。イエーツもまた産後うつや精神病に苦しんでおり、再審の末に精神異常による無罪評決が下された経緯がある。今回の裁判もまた、母親の精神的健康と司法の責任のあり方を問う歴史的な事例として注目を集めている。