1957年12月、イングランドで17歳の少女アン・ノブレットが失踪し、1か月後に遺体で発見された。文春オンラインによると、死後1か月が経過していたにもかかわらず遺体は腐敗しておらず、警察は犯人が遺体を冷凍保存していたとみて「ディープ・フリーズ殺人」として捜査を進めた。
ダンス教室の帰りに消えた17歳の少女
1957年12月30日、イングランドのハートフォードシャー州で、17歳のアン・ノブレットが突如として姿を消しました。彼女はダンス教室からの帰り道、最寄りのバス停で下車した姿を近所の少女に目撃されたのが最後となり、その後の消息は途絶えました。当時は何の手がかりも得られないまま、年末の静かな街から少女が消えたことで周囲に不安が広がりました。
森の中で発見された「鮮度を保った」遺体
失踪から1か月後の1958年1月31日、バス停から約11キロ離れたホイットウェル近郊の森で、犬を散歩させていた兄弟が若い女性の遺体を発見しました。文春オンラインの報道によれば、遺体は発見時、衣服を整えられ、胸の上で手を組んだ状態で横たわっていました。まるで昼寝をしているかのような姿でしたが、死後1か月という時間の経過を考慮すると、その保存状態は極めて異様なものでした。
「ディープ・フリーズ殺人」と名付けられた理由
警察による検死の結果、胃の内容物が消化されずに残っていたことから、アンは失踪当日に殺害されたと推定されました。1月のマーシャルズ・ヒース近郊は比較的温暖な気候であり、通常であれば1か月で遺体は腐敗が進む環境でした。しかし、アンの遺体は生前と変わらぬ「鮮度」を保っており、警察は「死後に冷凍保存されていた以外に説明がつかない」と結論付けました。この不可解な状況から、当時の新聞は本件を「ディープ・フリーズ殺人」と呼び、大きく報じました。
捜査を阻んだ当時の生活環境
警察の捜査は、遺体に性的暴行の痕跡が認められたことから、猥褻目的の誘拐・殺人として進められました。さらに、発見された遺体には衣服のボタンの掛け違えなど、一度脱がせた後に誰かが着せ直したと思われる不自然な痕跡がありました。
- 死後1か月経過も腐敗が進行していなかった
- 遺体に性的暴行の痕跡が残されていた
- 衣服に他者が着せ直したような不自然な痕跡があった
当時、冷蔵庫や冷凍庫はまだ一般家庭には普及しておらず、人体をまるごと収容できるサイズの冷凍設備を持つ者は極めて稀でした。警察は犯人が特殊な設備を所有する人物であると推測し、その線から捜査を深めていくこととなりました。