日本語版
最新ニュース
科学&テクノロジー

「ゴミとうんち」の衝撃的な展覧会が開幕。ポスターにタイトルが“ない”理由 | Business Insider Japan

ライフインサイダー 「ゴミうんち展」なる展覧会があると聞きつけて、やってきたのは六本木・東京ミッドタウン内の21_21 DESIGN SIGHT。 衝撃的な展覧会タイトルに惹かれて来たものの、会場前のポスターにはその文字が見当たらない。 「ゴミうんち」ってどういうこと? 美術館入り口にはこんな注意書きが。マスクを忘れてしまったが、本当に大丈夫だろうか……。 ライフインサイダー 恐る恐る会場に入ったものの、当たり前だが特に異臭がするわけではない。 「ゴミうんち」展の英語タイトルは「pooploop」。単にゴミやうんちについてのみ真剣に考えるのではなく、その存在がどこからやってきて、どこに行くのかという過程を考えるのが、今回の展覧会の真髄だ。 展覧会ヴィジュアルに、タイトルが「ない」理由も、それらがトイレやゴミ箱に捨てられた途端、視界から遠ざけたくなる「ない」ものとして扱われることに疑問を投げかける狙いがあるという。 「ゴミうんち」の概念をトレーニング ライフインサイダー 最初に目に留まったのは、大量の砂時計。上にはオレンジのボールが乗っている。《TIME B》と名付けられた本作は、展覧会のディレクターを務め、「デザイン あ」のプロデューサーとしても知られる21_21 DESIGN SIGHTの館長・佐藤卓によるものだ。 砂時計は、通常ひっくり返して使うものだ。だが、この砂時計はボールの存在によって、わざわざ「ボールを取る」という作業が加わることとなる。砂時計を反転させる動作を循環と見立て、こうした一人ひとりの手間なしには、循環は成し得ないことを伝えている。 ライフインサイダー 次の展示空間では、天井部分いっぱいまでありとあらゆるものが陳列されている。ルネサンス期以降、貴族の間で流行った「驚異の部屋」ならぬ「糞驚異の部屋」だ。 トイレの芳香剤やすっぽん。 ライフインサイダー 模型やマネキンの型。 ライフインサイダー トイレの芳香剤などトレイに馴染み深いものから、プラスチック片が詰まった瓶、食べ物など、展覧会のテーマとつながりそうでつながらないようなものたちも。 この一見曖昧な共通点こそ、私たちの想像する「ゴミうんち」が、単に「汚いもの」「捨てられて終わるもの」という概念から脱していないことを意味する。 まずはこの部屋で、「ゴミうんち」のこうしたイメージを取り払い、「循環するもの」であるという思考を鍛えてから、次へと進もう。 サビ、割れ、苔もアート ライフインサイダー サビも同様に、「汚いもの」「終わりかけのもの」の象徴として扱われる。だが、その経年変化を模様のように楽しむこともできるはずだ。 狩野佑馬による《Rust Harvest|錆の収穫》は、サビの風合いを楽しむ作品だ。金属板についたサビをアクリル板に転写させ、再度金属板を海水や雨水で錆びさせることを繰り返し、その模様を写し取っていく。 一見、サビだとは分からない。 ライフインサイダー 出来上がったパネル作品は、サビだと分かっていても美しいと思えてくるのが不思議だ。 ライフインサイダー こうした劣化を「コントロールできない美しさ」として捉えた視点は、松井利夫の《サイネンショー》というプロジェクトでも見られた。…

「ゴミとうんち」の衝撃的な展覧会が開幕。ポスターにタイトルが“ない”理由 | Business Insider Japan

1727463083
2024-09-27 12:00:00

ライフインサイダー

「ゴミうんち展」なる展覧会があると聞きつけて、やってきたのは六本木・東京ミッドタウン内の21_21 DESIGN SIGHT。

衝撃的な展覧会タイトルに惹かれて来たものの、会場前のポスターにはその文字が見当たらない。

「ゴミうんち」ってどういうこと?

DSCF7299

美術館入り口にはこんな注意書きが。マスクを忘れてしまったが、本当に大丈夫だろうか……。

ライフインサイダー

恐る恐る会場に入ったものの、当たり前だが特に異臭がするわけではない。

「ゴミうんち」展の英語タイトルは「pooploop」。単にゴミやうんちについてのみ真剣に考えるのではなく、その存在がどこからやってきて、どこに行くのかという過程を考えるのが、今回の展覧会の真髄だ。

展覧会ヴィジュアルに、タイトルが「ない」理由も、それらがトイレやゴミ箱に捨てられた途端、視界から遠ざけたくなる「ない」ものとして扱われることに疑問を投げかける狙いがあるという。

「ゴミうんち」の概念をトレーニング

DSCF7323

ライフインサイダー

最初に目に留まったのは、大量の砂時計。上にはオレンジのボールが乗っている。《TIME B》と名付けられた本作は、展覧会のディレクターを務め、「デザイン あ」のプロデューサーとしても知られる21_21 DESIGN SIGHTの館長・佐藤卓によるものだ。

砂時計は、通常ひっくり返して使うものだ。だが、この砂時計はボールの存在によって、わざわざ「ボールを取る」という作業が加わることとなる。砂時計を反転させる動作を循環と見立て、こうした一人ひとりの手間なしには、循環は成し得ないことを伝えている。

DSCF7336

ライフインサイダー

次の展示空間では、天井部分いっぱいまでありとあらゆるものが陳列されている。ルネサンス期以降、貴族の間で流行った「驚異の部屋」ならぬ「糞驚異の部屋」だ。

DSCF7338

トイレの芳香剤やすっぽん。

ライフインサイダー

DSCF7341

模型やマネキンの型。

ライフインサイダー

トイレの芳香剤などトレイに馴染み深いものから、プラスチック片が詰まった瓶、食べ物など、展覧会のテーマとつながりそうでつながらないようなものたちも。

この一見曖昧な共通点こそ、私たちの想像する「ゴミうんち」が、単に「汚いもの」「捨てられて終わるもの」という概念から脱していないことを意味する。

まずはこの部屋で、「ゴミうんち」のこうしたイメージを取り払い、「循環するもの」であるという思考を鍛えてから、次へと進もう。

サビ、割れ、苔もアート

DSCF7363

ライフインサイダー

サビも同様に、「汚いもの」「終わりかけのもの」の象徴として扱われる。だが、その経年変化を模様のように楽しむこともできるはずだ。

狩野佑馬による《Rust Harvest|錆の収穫》は、サビの風合いを楽しむ作品だ。金属板についたサビをアクリル板に転写させ、再度金属板を海水や雨水で錆びさせることを繰り返し、その模様を写し取っていく。

DSCF7356

一見、サビだとは分からない。

ライフインサイダー

出来上がったパネル作品は、サビだと分かっていても美しいと思えてくるのが不思議だ。

DSCF7389

ライフインサイダー

こうした劣化を「コントロールできない美しさ」として捉えた視点は、松井利夫の《サイネンショー》というプロジェクトでも見られた。

DSCF7395

ライフインサイダー

ずらりと並んだ陶器は、よく見るとぐにゃりと歪んでいたり、陶器どうしがくっついていたりする。これらは、家庭でもう使われなくなったり壊れてしまったりしたもので、釉薬を新たにかけ通常よりも高温で再度焼き上げられている。

窯の扉を開けるまで、どうなっているかは分からない。その偶発性が、また新たな価値を生む。

DSCF7403

ライフインサイダー

会場内の什器に使われているのは、展覧会の展示空間で使用されるリースパネルだ。表面に加工を施されたのち、また別の展覧会の什器として活躍するというサイクルを持つ。

山のように積み上げられたリースパネルには、苔がついている。会場の各所にも苔が見られる。

実はこれも、作品の一つなのだ。

DSCF7392

ライフインサイダー

吉本天地による《気配ー覆い》は、会場のあちらこちらに置かれた苔を通じて、その時間経過を想起させている。

苔が持つ意味はそれだけに留まらない。苔はコットンでできたニットモジュールなので問題ないが、そもそも館内は生の植物を持ち込むことができないルールとなっているそうだ。

だが、コットンは本来綿花からできた自然物。「人工物ではない」とはっきり言い切ることのできないその存在が、ユーモアを持って固定観念へのアンチテーゼとなっている。

DSCF7381

下水処理で最終的に残る汚泥を焼却した「汚泥灰」を使った、狩野佑真とLIXILによる《下水汚泥タイルプロジェクト》。

ライフインサイダー

DSCF7330

会場内ではうんちにまつわるうんちく「うんち句」も。

ライフインサイダー

「ゴミうんち」と聞いて、私のように面白半分で訪れる人も多いだろう。だが、結果的に「臭い物に蓋をする」日頃の生活を見つめ直す機会となった。

本展は環境問題もテーマの一つではあるが、大きな課題として投げかけられるよりもずっと入りやすい。単純にゴミやうんちの“その先”に興味が湧く展示だった。

「ゴミうんち」の新しい概念に出会える本展は、2025年2月16日(日)まで開催中だ。

#ゴミとうんちの衝撃的な展覧会が開幕ポスターにタイトルがない理由 #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。