女子ゴルフの富士通レディース最終日、鈴木愛が今季初優勝を果たした。3月からのシーズン第31戦で待望の勝利を収めた鈴木は、開幕から一貫して同じ14本のクラブを使い続けてきた。苦しい時期も道具のせいにせず、自身の技術と向き合い続けた結果が、千葉・東急セブンハンドレッドクラブでの栄冠につながった。
開幕から変えぬ14本のクラブがもたらした初優勝
3月の開幕戦から半年以上が経過したシーズン第31戦。鈴木愛は「ちょっと気を抜くと予選落ちが続きそうなゴルフばかり」と、今季の苦闘を振り返った。しかし、その厳しい戦いの中でも、鈴木は開幕戦から同じ14本のクラブを使い続けている。道具を頻繁に変更する選手も多い中で、鈴木は「オフシーズンに合わせてもらったクラブで曲がるのは自分の腕が悪いだけ。クラブのせいにはしない」という信念を貫いた。この一貫した姿勢が、最終日での今季初優勝という結果を呼び込んだ。
最新モデル「G440K」への挑戦と継続するアイアン
クラブセッティングにおいて、鈴木は昨年の「G440 LST」から最新モデルの「G440K」へとドライバーを変更した。一方で、アイアンには2024年モデルの「ブループリントS」を継続して採用している。フェアウェイウッドには「G440 LST」(3番)と「G440 MAX」(5番)を組み合わせ、ユーティリティには使い込まれた「G440 ハイブリッド」の4番と5番を選択した。各クラブの特性を理解し、自身の感覚とすり合わせる作業が、今季の安定したプレーを支えている。
パッティングの強みと10年ぶりのスタイル変更
未勝利が続いた期間も、鈴木の代名詞であるパッティングの技術は健在だった。平均パット数は「28.3229」を記録し、ツアーランク1位を維持している。パターは「スコッツデールTEC」シリーズの「ALLY BLUE ONSET」を使い続け、厚い信頼を寄せている。大きな転機となったのは6月下旬の調整だ。「あまりに入らないので10年ぶりぐらいに」と、それまで頼っていたボールのラインに合わせる打ち方をやめ、自分の感覚でセットするスタイルへ戻した。最近導入したレーザー器具による調整も奏功し、「4万円もしたけど回収できて良かった」と笑顔を見せた。
最終日を戦い抜いたクラブセッティング
今回の優勝を支えたクラブ構成は、以下の通りとなっている。
- ドライバー:ピン G440K(9度)/シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLUE
- フェアウェイウッド:ピン G440 LST(3番)、ピン G440 MAX(5番)
- ユーティリティ:ピン G440 ハイブリッド(4番、5番)
- アイアン:ピン ブループリントS(6番~9、W)
- ウェッジ:ピン S159(50、54、58度)
- パター:ピン スコッツデール TEC ALLY BLUE ONSET
- ボール:タイトリスト プロV1x
シーズン終盤に向けた弾みとなる勝利
今季初優勝を飾った鈴木にとって、今回の勝利は単なる1勝以上の意味を持つ。シーズン第31戦という終盤でのタイトル獲得は、苦悩した期間を乗り越えた証左といえる。パッティングの感覚を取り戻し、信頼する14本のクラブと共に戦う姿勢は、今後のトーナメントにおいても大きな武器となるはずだ。観衆3444人が見守る中でつかんだこの勝利が、シーズン残り試合への確かな弾みとなる。