警察官をかたる人物が「身体検査」と称して女性に裸の画像を送信させる「ニセ警察詐欺」が相次いでいます。警察庁によると、昨年全国で247件の被害が確認されており、愛知県警は「警察が電話で身体検査を要求することは絶対にない」として注意を呼びかけています。
愛知県内で昨年22件の被害を記録
警察官になりすまして女性から裸の画像を送信させる詐欺の手口が、愛知県内で深刻化しています。愛知県警への取材によると、判明分だけで昨年1年間に未遂を含めて22件の被害が発生しました。今年も同様の被害が確認されており、県警は警戒を強めています。被害者は20代から30代が全体の8割を占めており、若年層が狙われやすい傾向が浮き彫りになっています。
大阪府警をかたる手口の具体例
今年発生した事例では、県内に住む20代の女性のスマートフォンに、大阪府警の警察官を名乗る人物から突然電話がかかってきました。犯行グループは「詐欺グループにあなたの彼氏が関与している」と持ちかけ、偽物の警察手帳を見せることで女性を信用させました。その後、女性は生年月日や住所などの個人情報を伝えてしまい、さらに「容疑を晴らすために身体検査をする必要がある」と指示され、自ら撮影した裸の画像をLINEで送信させられました。女性は後に不安を感じて家族に相談し、詐欺被害に気づいています。
「セクストーション」による脅迫の構図
SNSなどを通じて性的な画像や動画を送らせ、金品を要求する行為は「セクストーション(性的脅迫)」と呼ばれます。犯行グループはビデオ通話を利用し、「犯人の体には入れ墨がある。あなたが犯人ではないなら服を脱いで証明しろ」などと強要する手口が一般的です。一度撮影に応じると、「録音・録画をしている」「全国にばらまく」と脅し、金銭を要求します。警察庁のデータによると、全国では昨年、未遂や相談を含めて247件の被害が報告されています。
摘発された詐欺拠点の関与
県警が昨年摘発したカンボジアを拠点とする詐欺事件においても、同様の卑劣な手口が確認されています。捜査関係者によると、詐欺グループのかけ子の一部は、女性とのビデオ通話中に「生体認証を行う」などと嘘の説明をして、服を脱ぐよう強要していました。その様子を録画し、脅迫材料として悪用していた実態が明らかになっています。
警察は電話で身体検査を求めない
警察による捜査の過程で、電話を通じて裸の写真を要求したり、身体検査を行ったりすることは一切ありません。県警の幹部は「一度撮影させられてしまうと、画像や映像が拡散される危険性が極めて高い」と警鐘を鳴らしています。被害に遭わないためには、警察官を名乗る不審な電話があった場合、即座に電話を切り、最寄りの警察署や相談窓口へ確認することが重要です。
今後も犯行グループは、警察官という権威を悪用した手口でターゲットを絞り込み続けるとみられます。警察当局は、個人情報を安易に伝えないことや、ビデオ通話での要求には一切応じないよう強く注意を促しており、引き続き啓発活動を継続する方針です。