2026年10月2日、ロンドン・ウェストミンスターで男性容疑者(25)が逮捕され、同地区の住宅2軒が捜索された。この事件では、9月27日にイングランド南西部グロスタシャー州のフェアフォード空軍基地付近で警察が男性5人を逮捕しており、対テロ警察が外国の関与を含むあらゆる可能性を視野に複雑な捜査を進めている。
フェアフォード空軍基地付近での5人逮捕と保釈
9月27日早朝、イングランド南西部グロスタシャー州のフェアフォード空軍基地付近で不審な車両3台が走行しているとの通報があり、警察が男性5人を逮捕した。全員がロンドン出身の英国籍をもつ20代で、年齢は23歳から25歳。4人はウェストミンスターに、1人はカムデンに住んでいる。警察は当初、爆発物関連の犯罪容疑およびテロ行為を準備した容疑で5人を逮捕したが、翌28日には経験と戦略に基づいた捜査上の決定として全員を保釈した。逮捕現場付近に停められていたバンの車内からはガソリンが見つかったものの、爆発物は発見されなかった。警察は5人の自宅についてもそれぞれ捜索を実施している。
米空軍の前線作戦拠点としての基地利用
フェアフォード空軍基地は、数十年にわたりアメリカ空軍の前線作戦拠点として使用されてきた歴史を持つ。アメリカはイランに対する防衛的攻撃においても同基地の使用をイギリスに要請し、イギリス政府はこれを承認した。その結果、同基地から中東へ向けて米爆撃機が飛び立っている。こうした米軍の運用背景があり、基地の安全保障上の重要性は極めて高い。これに関連して、イラン側は7月に「イラン領土に対する侵略行為に使用された基地は、イラン軍の正当な標的となる」との警告を発していた。今回の事件との関連性が注目される中、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は28日、同基地での事件には明らかに外国の行為者が関与していたと述べている。
外国の関与をめぐる各国と警察の動き
対テロ警察幹部のヴィッキー・エヴァンス氏は、今回の事件について外国の関与を含むあらゆる可能性を検討していると説明した。捜査は非常に複雑であり、専門チームが複数の線で調べを進めている段階にあるという。一方で、イラン政府は事件への一切の関与を強く否定している。こうした緊密な情勢の中、駐イラン英大使は1日にイラン政府の要請を受けてイラン外務省側と会談を行った。警察はロンドン・ウェストミンスターでの追加の逮捕や住宅捜索も行っており、全容解明に向けた捜査が多方面で続けられている。
今後の捜査と外交的対応の見通し
保釈された5人の行方や、ロンドンで新たに逮捕された25歳の男性容疑者に対する取り調べの進展が今後の焦点となる。対テロ警察による専門チームの多角的な捜査が継続されるなか、外国の関与に関する事実関係の特定が急がれている。イラン側が関与を否定する一方で、米英当局とイランとの間の外交的なやり取りも水面下で続いており、大使レベルの会談を含めた今後の動向が注視される。