英国緑の党は、党大会でシオニズムを人種差別と定義する動議を可決し、党内に激しい分裂を引き起こしました。採決を欠席したザック・ポランスキー党首はイスラエルへの入国を禁止され、ユダヤ系緑の党の議長であるヴィヴィアン・リヒテンシュタイン氏は離党を示唆しています。
緑の党大会での動議可決と党内の亀裂
この採決は党内に深い亀裂を生ませました。党の副党首であるモシン・アリ氏は賛成票を投じる意向を表明して大々的な党内論争を引き起こしましたが、前共同党首のキャロライン・ルーカス氏、エイドリアン・ラムジー氏、カーラ・デニヤー氏ら複数の前党首や幹部らは、この動議が分断を招き、党内のユダヤ系の人々を遠ざけることになると事前に警告していました。さらにエリー・チャウンズ氏、シアン・ベリー氏を含む国会議員らも公然と反対しました。
ヴィヴィアン・リヒテンシュタイン氏の離党検討とユダヤ人社会の反発
ユダヤ系緑の党の議長を務めるヴィヴィアン・リヒテンシュタイン氏は、党がこの動議を採択したことを受け、党を去る可能性が「かなりある」とBBCの番組で表明しました。この決定がこのまま残れば英国の歴史に汚点として残り続けるとも指摘しています。

ヴィヴィアン・リヒテンシュタインはBBCに対し、「まだ決めていません…党を去る可能性はかなりあります…少し時間を置いて、同僚たちと話し合っているところです」と述べた。
リヒテンシュタイン氏は、ユダヤ系緑の党がこの動議について事前に一切相談を受けていなかったと指摘し、パレスチナの人々の苦境を何ら改善するものではないと批判しました。また、党員や非党員の間でも、この方針がの一線を超えるものとして離党を考えている人がいると述べています。
イスラエル外務省によるザック・ポランスキー党首の入国禁止措置
動議の可決を受け、イスラエル政府は迅速に対抗措置をとりました。イスラエルのギデオン・サール外務大臣は、緑の党のザック・ポランスキー党首に対する入国禁止処分を下しました。
イスラエル外務省はデイリー・メール紙に対し、「本日、英国の緑の党は政党としての活動を停止し、テロリズムに正当性を与える機関となった。緑の党は、ハマスの緑だけでなく、武装闘争を通じたイスラエル国の消滅というそのイデオロギーをも採用したのだ」と述べた。
同省はまた、この動議が国際ホロコースト記念同盟の定義に基づいてユダヤ人の自決権を否定する明白な反ユダヤ主義的テキストに該当すると発表しました。
激化する政治的批判と今後の不透明な党運営
党大会では、シナゴーグやシオニズムを支持するユダヤ人グループへの所属を理由にした党員への圧力や処分を防ぐ修正案が提出されましたが、否決されました。党内対立が先鋭化する中、離党の動きや外部からの批判が今後の緑の党の政治的基盤にどのような影響を及ぼすのか、その行方は不透明なままとなっています。