チャリティー団体を襲う燃料費の急騰と運行コストの現実
自動車団体のRACによると、英国におけるディーゼル平均価格は史上初めて1リットルあたり2ポンドの大台を超えた。
過去7カ月に及ぶイラン戦争により、同地域からの卸売用原油および精製油の生産・輸送が著しく混乱し、世界的な価格急騰を引き起こしたことが背景にある。
北東部の癌患者支援チャリティー団体「ダフト・アズ・ア・ブラッシュ」は、燃料補給の負担が増大したことで、ディーゼル車を電気自動車へ更新する計画を断念せざるを得なくなったと述べている。同団体は30台のバンを保有し、年間60万マイルを走行して患者を病院の予約まで送迎しているが、ディーゼル代として毎月1万5000ポンドを支払っており、これは昨年より5000ポンドも多い額となっている。

大幅な値上がりの前は、満タンにしても40〜45ポンド程度だった。先週は、タンクが半分残っている状態からの給油で94ポンドもかかった。 Davey Hall, ボランティア運転手 (BBC)
同団体の収入管理担当責任者であるスコット・ジョブソンは、資金が寄付金から賄われている点を挙げ、燃料割引などのいかなる優遇措置の対象外であると述べている。ポンプで表示された価格がそのまま支払額になると説明し、団体組織の成長や発展が妨げられていると訴えている。
ミドルズブラのミニバス事業者が直面する持続可能性の危機
ミドルズブラに拠点を置く「ティーズサイド・ミニバス・ハイア」のディレクターであるビリー・ジョンソンは、高騰する価格について持続可能ではないと指摘している。同社は学校や企業との間で複数年にわたる契約を結ぶことが多いが、それらの契約は契約締結時点の燃料コストを基に作成されている。
まだ赤字経営には陥っていないが、割に合わなくなり、持続できなくなる限界すれすれのところで運営している。
Billy Johnson, Teesside Minibus Hire ディレクター (Aol)
日帰りチャーターなどの利用者に対し、コストの一部を価格転嫁せざるを得ない状況にあるが、顧客側もインフレに苦しんでおり、値上げを受け入れられないケースが多い。その結果、正規の許認可を持たない安価な違法ハイヤーサービスへ顧客が流れる動きも見られるという。燃料価格がこのまま下がらなければ、事業の長期的な存続は難しいとの見通しを示している。
世界的な供給混乱の背景と政府による対策の現状
この世界的な価格急騰の背景には、過去7カ月に及ぶイラン戦争が深く関わっている。同地域からの原油および精製石油製品の生産と輸送が深刻に阻害されたことが、世界規模での価格高騰を引き起こした。
政府は5月に、燃料税の凍結を年末まで延長すると発表した。この措置はガソリンおよびディーゼルともに1リットルあたり5ペンスに税額を抑えるものであり、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて2022年に当時の保守党政権が導入した経緯がある。イラン戦争に起因するディーゼル不足の懸念については、国内の供給網は多様であり強靭であるとして、政府は警戒の必要はないとの立場を示している。