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米FinCENが暗号資産ミキシングおよびアンホステッドウォレットの規制案を撤回

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が、暗号資産(仮想通貨)に関する2つの規則案を撤回すると10月5日に発表しました。…

米FinCENが暗号資産ミキシングおよびアンホステッドウォレットの規制案を撤回

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が、暗号資産(仮想通貨)に関する2つの規則案を撤回すると10月5日に発表しました。

FinCENが暗号資産ミキシングの2023年規制案を全面撤回

バイデン政権下の2023年10月23日に官報に掲載された措置において、FinCENは米愛国者法311条に基づき、「国際的な転換可能な暗号資産(CVC)ミキシング」に関わる取引類型を「主要なマネーロンダリング懸念」と認定していました。さらに金融機関に対して記録保持や報告を求める特別措置が提案されていましたが、今回FinCENはこの認定と規則案の双方を撤回します。同案ではミキシングを、送金元や送金先、金額を不明瞭にする行為として広く定義しており、複数の利用者やウォレットから資金をプールする行為のほか、取引の分割、使い捨てウォレットの利用、暗号資産同士の交換、取引遅延の仕組みなどが例示されていました。

対象となる取引について金融機関には、送金額や暗号資産の種類、利用されたミキサー、顧客に関連するウォレットアドレス、トランザクションハッシュ、IPアドレスなどの情報を報告することが求められる予定でした。

パブリックコメントの検討過程において、定義があまりにも広範であるため正当なプライバシー保護目的の取引まで萎縮させるおそれや、金融機関に過大な報告負担を課す点が強く指摘されました。こうした背景から、2025年7月にホワイトハウスの「デジタル資産市場に関する大統領作業部会」がまとめた報告書も、合法的な利用者がパブリックブロックチェーン上でプライバシーを保つ能力を支持しており、今回の撤回へとつながりました。

セルフカストディ型ウォレット規則案の廃止決定

ミキシング規則と同時に撤回されたのが、第1次トランプ政権末期の2020年12月23日に官報に掲載されたアンホステッドウォレット(セルフカストディ型ウォレット)に関する規則案です。パラメータ社の報道によると、この規則は暗号資産取引所などの金融機関を介さず利用者自身が秘密鍵を管理するウォレットとの取引について、銀行やマネーサービス事業者(MSB)に追加の義務を課す内容でした。具体的には、対象ウォレットとの間で1万ドルを超える取引を行う場合や、同一人物による複数取引の受入額・払出額が24時間以内に合計1万ドルを超える場合に、取引や取引相手に関する情報をFinCENへ報告し、顧客本人を確認することを求めていました。

また3000ドルを超える取引についても、取引や取引相手に関する情報の記録保持と、顧客本人の確認を求める内容でした。対象にはアンホステッドウォレットのほか、FinCENが指定する外国法域にあり米銀行秘密法(BSA)の適用を受けない金融機関が管理するウォレットも含まれており、今回の撤回通知でFinCENは、前述の大統領作業部会報告書に言及したうえで、同規則案について今後追加の措置を取らないとしています。

政策団体が歓迎の意向を示す今後の監視体制

今回の撤回について、両規則案に長年反対してきた米暗号資産政策団体コイン・センター(Coin Center)は歓迎の意向を示しています。暗号資産メディア「ディクリプト」によると、同団体のエグゼクティブ・ディレクターであるピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ氏は、同様の規則を将来的に策定するための法的権限そのものは残っていると指摘しています。

規制当局側はマネーロンダリングやテロ資金供与などの不正リスクに対する警戒を完全に緩めたわけではありません。コインエディションの解説が伝える通り、当局はミキサーなどのツールが犯罪者に悪用されているとの認識を引き続き維持しており、今後も不正金融の兆候を注視しながら、状況に応じて適切な措置を検討していく方針を示しています。

執筆者について: nipponese

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