ロシア連邦保安局が北海道新聞支局の日本人記者をスパイ容疑で拘束
ロシア連邦保安局(FSB)は13日、ロシア極東サハリン州の北海道新聞ユジノサハリンスク支局に勤務する30歳代の男性記者をスパイ容疑で拘束したと発表した。モスクワの裁判所から約2か月の勾留を認められている。
防衛力に関する情報収集とウクライナ侵略の動員調査
男性記者は、ロシアの防衛力について情報収集したなどとされる。
インターファクス通信の報道によると、対象となったのはロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵略に際し、クリル諸島(北方領土と千島列島)から動員されたり志願したりして参加した人数だった。露コメルサント紙などは、男性記者が30歳代であることを伝えている。
ロシア当局は、男性記者がロシアの安全保障を脅かす目的で、日本の情報機関の指示に基づいて情報を収集し保管していたと主張。男性記者はロシアから出国する直前にサハリン州で拘束され、その際の様子や支局捜索の映像も公開された。
モスクワ移送と最長20年の禁錮刑の恐れ
サハリン州での拘束後、男性記者はモスクワへ移送され当局に逮捕された。
モスクワの裁判所は12月12日までの約2か月の勾留を認めている。ロシアの法律におけるスパイ罪は、有罪判決が下れば最長で20年の禁錮刑が科される恐れがある。ロシアではこれまでにも、記者や外交官が十分な証拠を示されないままスパイ容疑で拘束される事案が度々発生している。
外務省声明と日露関係の悪化
露外務省の報道官は13日に声明を発表した。
「ロシアの安全保障を損なう目的で、日本が自国の記者に情報収集させようとするのは遺憾だ」
ウクライナ侵略の開始以降、日露関係は悪化の一途をたどっている。最近では日本による対ロシア制裁の強化を受け、ロシア側が何らかの報復を行う意向を示していた背景もあり、今回の記者の身柄拘束につながった。
日本政府の対応と邦人保護への動き
日本政府は記者の安否や拘束に至った経緯について情報収集を急いでいる。
茂木外相は14日午前の衆院予算委員会で、在ロシア日本大使館と在ユジノサハリンスク総領事館を通じて、ロシア当局に対し速やかな情報提供を求めていることを明らかにした。さらに、記者への人道的な配慮や公正・公平な取り扱いも申し入れている。「露側への更なる申し入れなど必要な対応を取り、邦人保護に万全を期していきたい」と茂木氏は述べており、今後の外交ルートを通じた対応が注目される。
読売新聞の取材に対し、北海道新聞社は「詳細は確認中だ。記者の安全確保を最優先に対応する」とコメントしている。