米株式市場は9月の取引初日を軟調にスタートした。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇と、世界的な債券利回りの急騰が投資家心理を圧迫し、主要3指数は揃って下落して取引を終えた。
米株式市場は下落、原油高と債券利回りの上昇が重荷に
主要指数の動向と市場の重圧
ダウ工業株30種平均は431.78ドル(0.81%)安の52,754.13ドルで引けた。S&P 500種株価指数は52.88ポイント(0.69%)下落し7,633.26ポイント、ナスダック総合株価指数は256.93ポイント(0.97%)安の26,113.77ポイントとなった。
市場の重荷となっているのは、米政府の債券売りが加速していることだ。ベンチマークとなる10年物米国債利回りは4.79%まで上昇し、2025年1月初旬以来の高水準に達した。利回りの上昇は住宅ローンや企業融資のコスト増を意味し、株式市場にとって逆風となる。
原油高と中東情勢の影響
市場の懸念を強めているのが、米国とイラン間の軍事的な緊張の高まりだ。ホルムズ海峡を通じたエネルギー供給の混乱が懸念される中、原油価格は上昇傾向を維持している。このエネルギーコストの増大は、インフレ圧力を助長し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測を強める要因となっている。
CMEのFedWatchツールによると、市場はFRBが9月末の政策会合で25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する確率を68.2%と予測している。これは1週間前の39.6%から大幅に上昇した。
セクター別動向と市場心理
S&P 500を構成する11セクターのうち、原油高を背景にエネルギーセクターは上昇した一方、コンシューマー・ディスクリショナリー(一般消費財)が最大の下落率を記録した。また、ダウ輸送株指数も2.5%下落し、経済の先行きに対する警戒感を示した。

個別銘柄では、半導体関連が低調で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.5%下落し、約1カ月ぶりの安値をつけた。エヌビディア、インテル、AMDなどの主要銘柄は1%から3.2%の下落を記録した。
今後の展望と経済指標
投資家は、今週発表される労働市場関連のデータや、FRB関係者の発言を注視している。米国労働省によるJOLTS(求人労働移動調査)報告では、労働市場の減速が示唆された。一方で、ISM製造業景況指数などのデータからは、工場活動の勢いが失われつつあることや、住宅建設支出の減少も確認されている。

インフラキャップのポートフォリオマネージャーであるジェイ・ハットフィールド氏は、「我々は非常にタカ派的なFRBを相手にしており、彼らは確実に利上げを望んでいる」と指摘した。また、9月は歴史的に株式市場にとって厳しい月であり、1926年以降で唯一マイナスの平均リターンを記録している月である点も、投資家心理の重石となっている。
市場では、今後発表される経済指標がインフレの沈静化を示さない限り、高金利環境が長期化するとの見方が強まっている。
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