米国防総省が中東を管轄する米中央軍(CENTCOM)に対し、イランに対する大規模軍事作戦の再開に備えるよう指示したことが伝えられた。.
米中央軍への大規模作戦準備指令
米国防総省は最近、中東を管轄する米中央軍に対し、イランを対象とする大規模な軍事作戦に向けた準備を完了するよう指針を伝えた。米オンラインメディアのアクシオスが報じた内容として、Yahoo!ニュースが伝えている。この指針には具体的な攻撃開始時期は含まれていない。
米国防総省の関係者はアクシオスに対し、国防総省の役割は可能な軍事的選択肢を準備してトランプ大統領に提示することだと説明している。トランプ大統領による最終決定は下されていないが、米軍が実際に作戦に踏み切れるよう軍事的な準備を本格化させているとの見方が出ている。
想定される攻撃対象と選挙スケジュールの影響
米軍が実際に大規模な軍事作戦に踏み切った場合、攻撃対象はイランの核施設だけでなく、エネルギー施設や主要な社会基盤施設にまで拡大する可能性が指摘されている。アクシオスは、米軍が実施する可能性がある作戦にはイランの核施設やエネルギーインフラなどを対象とした大規模な爆撃が含まれるかもしれないと伝えている。
米国とイスラエルの情報筋は、米国が軍事作戦を再開する場合、11月3日の米中間選挙あるいはそれ以前に実施されるイスラエル総選挙の前になるとの見方を示している。米政治誌アトランティックも、トランプ大統領が中間選挙前にイランへの軍事攻撃を再開することを検討していると報じた。ただ、米政権内部でも攻撃の時期やその影響をめぐり意見が分かれている。

トランプ大統領のSNS投稿とガソリン価格の高騰
テレ朝NEWSの報道によると、トランプ大統領は自身のSNSで「我々はイラン・イスラム共和国と建設的な協議を行っている。明確にしておきたいのは11月3日に行われる中間選挙より前にイランを攻撃することはないということだ」と述べ、中間選挙前の攻撃を否定している。平和賞を渇望するトランプ大統領をめぐっては、支持率の低迷やガソリン価格の上昇も判断材料となっている。
イラン攻撃を始める前、レギュラーガソリンの全米平均はおよそ123円だったが、現在はおよそ182円と1.5倍ほどに高騰している。ロイターとイプソスによる最新の世論調査では、トランプ大統領の支持率は32%と過去最低の水準を記録しており、こうした経済情勢や選挙情勢が軍事行動の判断を左右する要因に挙げられている。
ホワイトハウスの協議とイスラエルとの連携
今回の動きは、トランプ政権内部でイラン問題をめぐる外交・安全保障上の協議が相次いで行われている中で明らかになった。アクシオスによると、J・D・バンス米副大統領が主宰し、トランプ政権の外交・安全保障担当の高官らがキャンプ・デービッドに集まり、イラン問題や中東情勢について協議したという。トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相との接触も活発になっている。
アクシオスは、米軍が対イラン作戦を再開した場合はイスラエルも参加し、両国が共同軍事行動に踏み切る形になる可能性があるとの見方を示している。今年7月にはホワイトハウス状況室会議が開かれ、イランのエネルギーインフラや核施設などを攻撃する案が協議されたが、当時は米中央軍司令官がホルムズ海峡周辺への爆撃の効果は限界に達したとして作戦の中止を進言し、米国は攻撃を一時停止した経緯がある。
今後の見通し
現在、米国とイランはホルムズ海峡の支配権や核問題などをめぐり意見の隔たりを埋められず、戦闘終結に向けた交渉も事実上行き詰まっている。ホワイトハウスの関係者は軍事作戦再開の可能性について、トランプ大統領はあらゆる選択肢を検討し、米国の利益を最優先に判断するとの立場を明らかにしており、11月3日の米中間選挙に向けた政権の動向が引き続き注目される。