市販のキャットフードを対象にした米国の新たな調査で、検査したほぼ全ての商品からプラスチック由来の汚染物質や除草剤グリホサート、鉛や水銀、ヒ素などの重金属が検出されたことが分かった。この調査結果は、米国のニュース専門放送局CNNに独占提供された。
コロラド州の非営利団体による分析結果
報告書をまとめたのは、米コロラド州の非営利団体「クリーンラベル・プロジェクト」である。同団体のモリー・ハミルトン事務局長は、CNNの取材に対し、「大半の猫はほぼ毎日同じものを食べており、食事内容が変わることは少ない」と指摘した。この団体は消費者向けの製品に汚染物質が含まれていないか検査し、基準を満たした製品を認証する取り組みを行っている。
ウェットからフリーズドライまで全タイプで検出
2日に公表された分析によると、有害物質はウェット、ドライ、エアドライ、フリーズドライの全てのタイプのキャットフードで検出された。「ナチュラル」や「優れた栄養価」をうたう商品も例外ではなかったという。ハミルトン氏は、猫の飼い主の間では良質な原材料を使った高価なフードを選ぶ人が増えていると述べた上で、「必ずしもそうとは限らない」と警鐘を鳴らしている。
重金属が腎臓や健康に与える影響
ハミルトン氏は「こうした汚染物質に継続的にさらされると、生涯を通じて猫の体内に蓄積する可能性がある」と説明する。さらに、「例えば、慢性腎臓病は高齢の猫に多い死因の一つだが、腎臓は重金属をろ過するうえで重要な役割を担っている」と述べた。重金属は土壌や水、大気に自然に存在するが、農工業や鉱業による汚染が原因で食品への混入が増加、拡散することがある。また、報告書によると、プラスチックなどに由来する汚染物質も製造工程で食品に混入する可能性があるという。
今年2月に公表されたドッグフードの調査
クリーンラベル・プロジェクトは今年2月、ドッグフードについても同様の分析を公表していた。その際には、人間の食べ物の3倍から13倍の重金属が検出されたと明らかにしている。鉛やカドミウムへの曝露は、犬の死因で最も多いがんとの関連が指摘されている。猫の今回の調査結果と合わせ、ペットフード全体における有害物質の混入実態が浮き彫りとなった。
ペットフード業界団体と外部専門家の見解
消費者製品の安全性を追求する非営利団体「トキシックフリー・フューチャー」の科学部門責任者であるライアン・ババディ氏は、今回の調査について「全体としては、妥当な方法で行われた分析だと見受けられる」と評価した。ババディ氏は今回の調査に関わっていない。一方、キャットフードメーカーの業界団体「ペットフード・インスティテュート」のエリス・フェニグ最高経営責任者(CEO)は、CNNに寄せたメールで、メーカー側は食品安全や品質保証に関わる包括的なプログラムを導入していると説明した。フェニグ氏は「猫の飼い主の方々には、愛猫に与えている食べ物が安全で、厳格な規制や品質基準に従って製造されていると安心して頂きたい」と強調している。