世界的なエネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡を巡り、米国とイランによる軍事衝突が激化している。この影響で原油価格が急騰し、エネルギー輸送路の封鎖を巡る懸念が一段と深まっている。
原油価格の急騰と市場への影響
米国とイランによる相次ぐ攻撃を受け、市場では供給不安が広がっている。現地時間7月12日午後9時15分時点で、米国産原油先物(WTI)は4.1%上昇し1バレルあたり74.33ドルとなった。国際指標であるブレント原油先物も3.88%高の78.96ドルで取引された。ホルムズ海峡は世界の石油供給の約20%が通過する重要航路であり、今回の緊張はエネルギー価格に直接的な影響を与えている。
軍事衝突の激化と繰り返される攻撃
米国中央軍(CENTCOM)によると、米軍は日曜日、イランに対する攻撃を再び実施した。これは過去1週間で4度目の軍事行動となる。米軍は前日の土曜日にも、ホルムズ海峡を航行中のコンテナ船に対するイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)による攻撃への報復として、140の標的を攻撃した。CENTCOMは、過去1週間で合計300以上の標的を攻撃しており、これにはミサイル・ドローン拠点、海軍能力、弾薬貯蔵施設、通信ネットワークなどが含まれるとしている。
一方、イラン側もこれに応戦している。イランの国営通信社タスニムによると、イランは日曜日、ヨルダン、クウェート、バーレーン、オマーンにある米軍施設に対して攻撃を実施した。特にオマーンのドゥクム港にある米空母の物流拠点や、カタールのアル・ウデイド空軍基地などが標的となった。カタール国防省は、飛来した攻撃を一部迎撃したと発表し、破片により子供を含む3名が負傷したと報告している。
海峡の「封鎖」を巡る主張の対立
ホルムズ海峡の通行可能性を巡り、米イラン両国は真っ向から対立している。イラン国営メディアは、革命防衛隊がホルムズ海峡を無期限で封鎖したと報じた。しかし、米軍はこれを否定している。CENTCOMは「イランは海峡を支配しておらず、交通は流れている」とSNSに投稿し、合法的に通行を求めるすべての船舶に対して海峡は開かれていると強調した。ドナルド・トランプ米大統領もNBCニュースのインタビューに対し、海峡は開かれていると明言した。
米主導の海軍連合である「統合海上情報センター(JMIC)」によると、オマーン沖の南部ルートは依然として往来が可能である。しかし、同センターは海峡の安全状況は依然として深刻であるとし、民間の船舶に対して「最大限の警戒」を呼びかけている。
対立の背景と和平合意の崩壊
今回の事態の引き金となったのは、6月17日に署名された米イラン間の暫定和平合意に対する解釈の相違である。イランのモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ国会議長は、「一方的な合意の時代は終わった」と述べ、米国が合意を履行していないと非難した。トランプ大統領は水曜日、イランとの停戦が終了したと宣言している。
2月末以降、ホルムズ海峡周辺ではイランによる商船への攻撃が相次ぎ、一時的に交通量が激減した。その後、暫定合意を受けて交通は回復傾向にあったが、今回の軍事衝突の再燃により、再び不透明な状況に陥っている。
| 出来事 | 内容 |
|---|---|
| 6月17日 | 米イラン間で暫定和平合意が署名される。 |
| 過去1週間 | 米軍がイランに対して計4回の空爆を実施。 |
| 7月12日 | イランが中東各地の米軍施設へ報復攻撃を実施。 |
| 現在 | 原油価格が上昇。海峡の通行を巡り米イランの主張が対立。 |
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