米フィラデルフィアで2018年に行方不明となったニコール・フサロさんが絞殺されていたことが、2026年9月に警察の調べで判明した。cnn.co.jpの報道によると、事件は容疑者の息子の逮捕を機に自宅の捜索が行われたことで急展開を迎え、FBIなども加わった大規模な証拠収集が続いている。
息子の逮捕で発覚したフィラデルフィアの一軒家の秘密
事態が大きく動いた発端は、今年6月19日の朝に起きた事件だった。Yahoo!ニュースの報道によると、インディペンデンス国立歴史公園内で消火栓の横に止まっていた許可証のない黒いBMWを公園管理官が目撃し、後部座席から女性の声が聞こえたことから警察が対応にあたった。運転席にいたユージーン・ホーシュ容疑者のポケットから飛び出しナイフや薬物吸引用パイプが見つかり、車内からは実弾入りの銃2丁やコカインとみられる物質、手錠などが押収された。
後部座席の女性が警官に示した身分証には本人の写真があったものの、記載されていた氏名はフィラデルフィア市内で失踪した別の女性のものだった。ユージーン容疑者は銃の不法所持などの罪で現在も拘置されている。この逮捕を受けて警察が自宅を捜索した結果、死亡した父であるレイモンド・ホーシュ容疑者と、この家に関係して行方不明になったとみられる女性たちに関する本格的な捜査へと発展した。

8年前に失踪したニコール・フサロさんの足取り
ニコール・フサロさんは2018年当時27歳で、麻薬犯罪が横行するフィラデルフィアのケンジントン地区に暮らしていた。cnn.co.jpによると、母親のダイアン・フサロさんは友人たちとサンドイッチにチラシを添えて配り、足が痛くなるまで街を歩いて娘を探し続けたという。SNSにも情報提供を求める投稿を行い、多くのユーザーが協力を約束したものの、ダイアンさんは娘の身に何が起きたのかを知らないまま2020年に亡くなった。
ニコールの最後に目撃されたのは2018年7月19日の午後9時ごろで、ケンジントン通りとアレゲニー通りの交差点付近だった。おいのジョナサン・ハロランコレンさんは、ニコールさんがフィラデルフィア北東部で育ち優しい心の持ち主だったと振り返りつつ、ケンジントン地区の多くの住民と同様に薬物で苦しんでいたと明かしている。
自宅で見つかった動画と容疑者の素顔
2026年9月、警察から連絡を受けたハロランコレンさんは、ニコールさんが絞殺されていたと告げられた。警察によると、フィラデルフィア市オルニー地区にある住宅で発見された動画には、男が結束バンドで女性の首を絞めて殺害したとみられる場面が映っており、ハロランコレンさんはそこに映る女性がニコールさんであると確信している。
地元紙フィラデルフィア・インクワイアラーの報道としてcnn.co.jpが伝えたところでは、この家に住んでいて昨年死亡したレイモンド・ホーシュ容疑者は、暴力シーンを描いたアダルト映画の制作を生業としていた。警察は、この家にかかわった女性が少なくとも7人おり、過去数カ月に見つかった写真や動画からそのうち5人は死亡した可能性があると見ている。ただし、遺体は見つかっておらず、殺害を裏付けるDNAなどの物的証拠も確認されていない。息子のユージーン容疑者は、女性の失踪や死亡に関連した罪には問われていない。
FBIも加わった大規模な現場捜索の行方
6月以降、警察はこの家に出入りを重ねてきたが、10月に入ると捜索はさらに大規模なものへと移行した。Yahoo!ニュースによると、周辺の住宅地では10月5日から16日まで駐車禁止の規制線が敷かれ、警官やFBI捜査官が建物に出入りしている。
建物からはごみ類や大型テレビ、中身が詰まったビニール袋などが次々と運び出されている。10月7日の午後には、家の裏庭からジャッキハンマーの激しい音が静かな住宅街に響き渡り、捜査員らは犯行の裏付けとなる物的証拠の発見に向けて懸命の作業を続けている。遺体や決定的な物証が見つかっていない中、過去の失踪事件の全容解明に向けた捜査は現在も正念場を迎えている。