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米連邦第6巡回区控訴裁判所は先週、トランプ政権による移民の無期限拘留政策を「適正手続き」に違反すると断じ、保釈審問の権利を認める判決を下した。この決定は、ケンタッキー州を含む管轄区域内での強制送還手続きに大きな影響を与えており、各地の連邦地裁では政府の不当な拘留に対する異議申し立てが相次いでいる。
移民拘留をめぐる司法の反旗と「1万400件」の判決
トランプ政権が推進する移民拘留政策に対し、全米の連邦地裁が厳しい司法判断を下している。政治専門誌の分析によれば、7月以降に提起された約1万1,600件の訴訟のうち、政府が勝訴したのはわずか1,200件にとどまる。つまり、全判決の約90%にあたる1万400件もの事例で、裁判所は政府の主張を退け、拘留の違法性を認定したのである。
この司法判断の連鎖は、かつてない規模で政府の権限に歯止めをかけている。400人以上の連邦地裁判事がこの問題に関与しており、その中にはトランプ大統領自身が任命した判事も含まれている。MS NOWの報道によれば、司法省が「反論の余地がない」として拘留を断念するケースも発生しており、政策の根幹が揺らいでいる現状が浮き彫りとなっている。
第6巡回区控訴裁が下した「29年間の伝統」への回帰
先週の第6巡回区控訴裁判所による2対1の判決は、移民法務の現場に希望をもたらした。ルイビルで活動する移民弁護士のダフィー・トレーガー氏は、この判決により、ケンタッキー、テネシー、ミシガン、オハイオの各州で拘留されている非市民が、保釈審問を受ける機会を再び確保できるようになったと指摘する。
「非暴力的な非市民が移民法違反で拘留されるという事態が大量に発生しており、それは納税者に1日あたり数百万ドルの負担を強いている」と語る。Duffy Trager, ルイビル移民弁護士(Louisville Public Media経由)
判決文の中で、エリック・クレイ判事は、長年米国に居住し、地域社会に貢献してきた人々を機械的に拘留することの不当性を強く批判した。
「彼らの一部は不動産を所有し、地元企業で働いている。また、刑事訴追の促進に向けて法執行機関に協力した者もいる。全員が地域社会に貢献しており、多くは米国市民である子供を持つ家庭の主要な稼ぎ手や介護者である」Eric Clay, 連邦第6巡回区控訴裁判所判事(Louisville Public Media経由)
同判決は、政府が過去29年間にわたって維持してきた「保釈審問を認める」という慣行を、トランプ政権が突如として破棄したことを「previously unbroken 29-year streak(これまで一度も途切れることのなかった29年間の伝統)」と表現し、政府の論理を説得力に欠けると一蹴した。
コロラド州で噴出する「カンガルー法廷」への批判
コロラド州の連邦地裁では、政府による裁判所命令の軽視が深刻な対立を生んでいる。ニーナ・Y・ワン判事は5月21日、自身の命令に反して移民がナイジェリアへ強制送還された件について、激しい不信感を露わにした。
「政府が送還不可能であることを認めているにもかかわらず、なぜ彼が米国から強制送還されたのか、理解に苦しむ」Nina Y. Wang, 連邦地裁判事(Colorado Politics経由)
また、シャーロット・N・スウィーニー判事は、移民判事ボビー・C・マスターズによる保釈却下を強く非難した。スウィーニー判事は、マスターズ判事が根拠とした「逃亡の恐れ」という判断を、単なる憶測であると断罪した。この一連の審問を指して、弁護側は「kangaroo court(カンガルー法廷/不公正な法廷)」と形容した。
スウィーニー判事は、当該移民が持ち家を持ち、定職に就いているという証拠を無視したマスターズ判事のメモランダムを痛烈に批判している。
「この分析とその結果には問題がある。第一に、この決定は申立人が提出した数多くの証拠を無視している。(中略)さらに、申立人が送還を免れる可能性があるかどうかについての移民判事による憶測が、この誤りを悪化させている」Charlotte N. Sweeney, 連邦地裁判事(Colorado Politics経由)
今後の見通し:法廷闘争の長期化
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