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2025-03-02 22:00:00
「若者の海外流出」「日本人が海外に出稼ぎ」
ここ数年続く円安の中で、こうした言葉がよく目に入るようになった。日本で働き、暮らす魅力がなくなりつつある——。
一方で、実は国内では外国人労働者が急増している。厚生労働省の発表によると、日本の外国人労働者は2024年に230万人と過去最多を更新。特に円安が加速した2022年以降は増加ペースが拡大している。

外国人労働者の中でも特に増えているのが、「専門的・技術的分野」といった高度人材の増加だ。日本学生支援機構が外国人留学生に実施した進路調査によると、日本で就職する留学生の割合はここ10年で23.5%から44.3%に増えており、日本への留学生が、そのまま日本で高度人材として日本で働くケースも少なくない。
いくら円安が進もうが、日本は留学生に「選ばれる国」のようだ。

円安のデメリットを上回る、「日本」の魅力
母国へ帰っての就職や、基本スペックである英語を生かした海外への就職など、留学生にはさまざまな選択肢がある。それにもかかわらず、なぜ留学生は、あえて「円安の日本」で就職したがるのか。
シンガポール出身で東京大学への学部留学を経て、日本に上場しているIT企業でソフトウェアエンジニアとして働いているRさんは、「(生活環境が)すごく良い」と日本で働こうと思った理由を語る。

シンガポールは国土面積が小さく、東京ほど自然も多くなければ、エンタメやスポーツといった娯楽も豊かではない。Rさん自身、スノーボード、バドミントンや筋トレなどスポーツが好きだというが、シンガポールには東京に比べてそういったスポーツを楽しめる施設が少ないと嘆く。例えばシンガポールのジムは「いつも混んでいて、トレーニングがとても大変でした」(Rさん)というが、日本のジムは快適だそうだ。
また、母国における就職難から、日本で就職を選択する留学生もいる。
日本の介護業界大手から内定を獲得した中国出身で東京大学の大学院に通うSさんは、中国の経済が低迷しており就職が困難だと話す。
「仕事が見つかっても激務で、搾取されることもある」(Sさん)
また取材を進めていくと、「公安」の面から日本に住み続けることを選択する人や、「母国の家賃が高い」といった生活事情の面から母国に帰って働くことが難しいケースなどもみられた。
総じて言えるのは、賃金水準がアメリカなどに比べてそこまで魅力的でなかったとしても「日本」という環境で働くことに魅力を感じている人が多いということだろう。
実際、新卒や留学生などの採用に携わるキャリタス(元:ディスコ)が実施したの「外国人留学生の就職活動状況に関する調査」でも、留学生が日本で就職する理由の上位三位は、「生活環境に慣れているから」(69.1%)、「日本語力を活かせるから」(52.9%)と、「治安が良くて安全だから」(44.2%)と、いずれも「日本の環境」に関するものだった。
気になったのは、日本で働きたい留学生は一定数いるにもかかわらず、「日本企業」で働きたいというモチベーションを持つ留学生がそこまで多くはないということだ。
キャリタスの調査によると、2025年卒の留学生の4割以上は日本にある「非日系企業」で働きたいと回答していた。この割合は7年前に同社が行った調査に比べて20%も増加していた。加えて、類似した日本人学生向けの調査に比べても13.4%高かった。
取材の中でも、「日系企業」に対しては、企業風土や働き方が負担になると考え、警戒している留学生が多かった。
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