日本の国債市場で、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが3%に達した。この水準に達するのは1996年以来、約30年ぶりのことである。長年低金利環境が定着していた日本の債券市場において、インフレ圧力や財政懸念、そして日本銀行による金融政策の正常化に向けた動きが急速に市場を押し上げている。
日銀の利上げ観測と市場の反応
今回の利回り上昇の背景には、日本銀行が9月18日に予定している金融政策決定会合において、追加利上げを実施するとの観測が強まっていることがある。市場では、日銀が政策金利を現在の水準から0.25%引き上げ、1.25%とする可能性について、約87%の確率で織り込んでいる状況にある。これは7月の会合前には約23%と見られていた予測から急激に変化した。
日銀はこれまで「背後から追いかける(behind the curve)」状態にあるとの批判を国内外から受けてきた。しかし、足元では円安の進行に伴う輸入物価の上昇や賃金上昇の定着を受け、金融政策の正常化を加速させるべきだとの圧力が強まっている。日銀の植田和男総裁や副総裁の氷見野良三氏らがタカ派的なシグナルを送っていることも、市場の利上げ期待を後押しする要因となっている。
財政拡大と債券需給への懸念
金利上昇のもう一つの大きな要因は、高市早苗首相が推進する積極的な財政政策にある。2027年度の予算要求額は約140兆円に達する見通しで、これは当初予算としては過去最大規模となる。防衛費や成長投資に向けた支出増に加え、食料品の消費税減税なども計画されており、政府の債務残高は対国内総生産(GDP)比で200%を超えている。
市場関係者の間では、こうした財政拡大に伴う国債の増発が、需給の悪化を招くとの懸念が広がっている。実際に8月に行われた10年物国債の入札では、過去1年で最も需要が弱い結果となった。金融業界からは、財政規律への不安と金融引き締めが重なることで、国債価格がさらに下落し、利回りが一段と上昇する悪循環に陥るリスクが指摘されている。
世界市場との連動と今後の影響
この金利上昇は日本国内にとどまらず、世界的な資本フローにも影響を及ぼしている。日本は世界最大の米国債保有国であるが、国内の国債利回りが上昇することで、日本の投資家が米国債を保有する魅力が相対的に低下している。

米国の30年債利回りも上昇傾向にあり、日米双方で財政赤字への懸念と国債増発が利回りを押し上げるという、極めて似通った市場環境が形成されている。日本国内の債券市場では、10年債だけでなく、2年債が31年ぶりの高水準に達するなど、期間の長短を問わず利回りが全体的に切り上がる「総崩れ」に近い状態が続いている。

今後の焦点は、3%という水準が利回りの天井となるのか、それともさらなる上昇の通過点となるのかという点である。市場は9月の日銀会合の結果を注視しており、政策金利の行方とともに、日銀による国債買い入れの減額ペースが長期金利の決定要因として重要視されている。
https://seekingalpha.com/news/4638531-japan-10-year-bond-yield-touches-3-highest-since-1996 https://theedgemalaysia.com/node/816393 https://www.ebc.com/forex/japan-10-year-bond-yield-nears-3-percent https://en.bloomingbit.io/feed/news/119411 https://biz.heraldcorp.com/article/10844341