このスクリーンショットは、ムスリム観光客を誘致するために10月1日に開始された愛知県庁のキャンペーンを紹介する「Aichi Now」Webページを示しています。
名古屋―イスラム教徒旅行者の誘致を目指す愛知県庁の取り組みに対し、「移民政策」などの誤解に基づく抗議が相次いでいる。県は「純粋に観光事業であり、特定の宗教を支援するものではない」と明言し、理解を求めている。
10月1日からスタートしたキャンペーンは「あいちの魅力を世界のムスリムとシェアしよう!」。地元の観光施設や店舗での体験、ムスリムフレンドリーな食事の情報などをソーシャルメディアで共有することを奨励している。
キャンペーンは年末までに投稿した日本在住者を対象に、265万円の予算を計上し、参加者76名に宿泊券などの賞品をプレゼントする。
「愛知県はイスラム教徒に乗っ取られる」
県発表時 Webサイト、「移民につながる」「なぜイスラム教徒だけ?」などの不満や疑問を呈する抗議活動が起きた。 「プロジェクトは中止されるべきだ。」 10月15日正午までに443件の電子メールと76件の電話があり、その大半が重大な内容だった。
SNS上では「放っておくと愛知県はイスラム教徒に乗っ取られる」「県が特定の宗教を対象としたキャンペーンを行う必要はないと思う」などの投稿が広がっている。
県国際観光コンベンション課の担当者は「誤解がある」としている。県はインバウンド戦略の一環として、アジアやアメリカなどの地域をターゲットに数々の取り組みを行っている。例えば、昨年度はタイからの個人旅行者の誘致に、地方旅行博への参加など464万円(約3万700ドル)が計上された。
「快適な観光体験をお届けするために」

イスラム教徒観光客向けの愛知県地図=名古屋市中区で2025年10月15日、2019年に作成され2021年に更新された、川瀬慎一郎撮影
同担当者は今回のキャンペーンについて、イスラム教徒には食事制限があり、礼拝に欠かせない礼拝スペースが必要なことから「県内の環境を知ってもらい、快適な観光体験をしてもらうことが目的」と意義を説明した。県はこれまでに、ハラール認証施設や礼拝施設を紹介するイスラム教観光マップを作成していた。
観光庁は2024年、多様な宗教・文化の習慣を持つインバウンド観光客の受け入れ環境整備に向けて「ベジタリアン・ビーガン・イスラム教徒のおもてなしガイド」を作成した。福岡県では、ムスリム観光客誘致に向けた多くの自治体の取り組みを反映して、宿泊・飲食業向けハンドブックを作成した。
外国人に関する誤った情報に基づく自治体への抗議活動
一方、日本では外国人に関する誤った情報に基づいた自治体に対する抗議活動が相次いでいる。北九州市では9月、「市がイスラム教徒に配慮した学校給食の実施を決定した」とする虚偽情報がSNS上に拡散し、市教委が記者会見を開いて主張を否定した。
国際協力機構が日本の4都市をアフリカ諸国の「故郷」に指定した事業は、「移民が押し寄せる」などの誤解に基づいて各都市から抗議を受け、計画は白紙となった。
【川瀬信一郎】
#日本のイスラム教徒観光キャンペーン移民につながるとして抗議に直面