2026年8月中旬、レバノン議会は圧倒的多数の賛成により死刑制度の廃止を可決し、同国を中東地域における死刑廃止の最初の国とした。そのわずか一日後には、数千人の受刑者や拘禁者の釈放を見据えた物議を醸す恩赦法が成立した。
レバノン政治の中心地ベイルートにおいて、司法と治安機関の過去の過剰な対応を正すための歴史的な動きが進められた。中東で初めて死刑を廃止した国となった同国では、議会の過半数が死刑制度の正式な撤廃に賛票を投じた。これにより、死刑判決は厳重な強制労働を伴う終身刑へと置き換えられることになった。
死刑制度の廃止と終身刑への移行
議論を呼ぶ一般恩赦法の成立
死刑廃止の採決からわずか一日後、レバノン議会は議論を呼ぶ一般恩赦法を可決した。この法律は、数千人の未決囚や受刑者、指名手配犯に恩恵をもたらすと期待されているが、宗派間の緊張や対立を浮き彫りにしている。
新法のもとでは、死刑判決が長期の禁錮刑に減刑され、終身刑の短縮や、一部の武装勢力関係者および麻薬密売人の釈放が行われる。一方で、強姦、人身売買、汚職、テロ資金供与、計画的殺人は対象外とされた。レバノン公式通信によれば、この法律は「挙手による投票」によって可決された。
「私たちは、スンニ派が正当にも不当にも標的にされてきた政治的なページをめくっているのです。」 ビラル・アブドゥラ、議員
刑務所の深刻な過密状態と各派の思惑
この恩赦法の背景には、長年にわたる刑務所の深刻な過密問題がある。長年求められてきた恩赦法の成立を強く後押ししたのは、収容能力を大幅に超える劣悪な環境だった。
国内の国家人権委員会が2025年に発表した報告書によると、刑務所の過密率は300パーセントに達し、同年3月末の時点で少なくとも6,268人の収容が確認されていた。裁判を受けることなく数年間拘留されている未決囚も多く、今回の法律はそうした長期勾留者の釈放も求めている。
| 宗派・政治勢力 | 主な要求および背景 |
|---|---|
| スンニ派 | イスラム主義系武装囚人の釈放と、司法機関による過去の過剰対応の是正 |
| シーア派 | 大麻栽培が盛んなバアルベック地方などにおける麻薬関連犯罪の恩赦 |
| キリスト教政党 | イスラエル南部撤退後に同国へ逃れた南レバノン軍関係者らの家族に対する恩赦 |
犠牲者の遺族と改革派からの強い反発
法案の成立は各所で異なる反応を引き起こしている。スンニ派議員の支持者らがルーミエ刑務所周辺で歓声を上げる一方で、紛争で犠牲になったレバノン兵士の家族は強い不満を表明している。兵士の遺族らは、愛する者の命を奪った加害者が過度な寛大さを受けるべきではないと非難している。

また、改革派の弁護士や市民社会の活動家からも批判の声が上がっている。法的監視団体「リーガル・アジェンダ」の共同創設者であるニザール・サギエ氏は、真の正義は恩赦ではなく制度改革によってもたらされるべきだと主張している。
The controversy surrounding the drafting law has sparked heated debates among the public, with many questioning the fairness and effectiveness of the proposed amnesty measures in addressing the country's deeply ingrained prison overpopulation issue.