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2025-09-21 21:40:00
今回、Meta Connectの会場を駆けずり回って詳細に取材したBusiness Insider編集部のプラナブ・ディクシット記者に所感を尋ねた。
カンファレンス開催を待たずして、相当多くの情報が漏れ伝わってきた感じがあるけれど、本当に新しい発表だったと言えるのは?
社名変更までして注力ぶりをアピールしてきたメタバースと生成AIを組み合わせ、テキストプロンプトのみでVRゴーグル「メタ・クエスト(Meta Quest)」向けの3D世界(の全ての要素)を構築できる機能を発表した。
AIの用途としては本当に素晴らしいと思う。ただ、メタバース「ホライズン・ワールド(Horizon World)」が多くの人にとってすごく行きたい場所、過ごしたい場所に見えていない現状に変わりはないと思う。
カンファレンスで一番のサプライズは?度肝を抜かれたこと、ガッカリしたことはある?
スマートグラスを操作するためのEMG(筋電図)リストバンドはすごいと思った。知らない人向けに補足すると、昨年のカンファレンスでメタが試作機をお披露目したARグラス「オリオン(Orion)」とセットになっていた、あの手首に巻くデバイスだ。
オリオングラスを近い将来に製品として購入できる可能性は(ゼロではないものの)極めて薄いと思う。でも、このバンドはすでに現実の製品で、今回発表された新型スマートグラス「メタ・レイバン・ディスプレイ(Meta Ray-Ban Display)」と一緒に、数週間後には出荷される。
ザッカーバーグ氏がステージ上で指先をちょこちょこ動かして文字を入力するシーンはちょっと滑稽な感じもしたが、メタはすでに、どう指を動かすかを頭の中に思い浮かべるだけで直感的に文字を入力できる次世代バージョンの開発を進めているそうで、いずれ問題ではなくなるのかもしれない。
どっちにしろ(空中で指を動かすジェスチャーは)気味が悪いという意見も あるだろうが……やっぱりクールじゃないか?
ザッカーバーグ氏はどんな様子だった?
まず、イベントやカンファレンスでザックがいつも着るラテン語でスローガンのプリントされたシャツではなかった。
陽気な雰囲気でステージに出てきて、ちょっとダサいけど、真顔で自社の未来を売り込もうとしていた。今回はどちらかと言えば実利的な感じ。ストレートに分かりやすいメッセージを送ろうとしているように見えた。新型メガネが完成した、クールだし、すぐに買えるんだ、みたいに。
ただ、ライブデモは大失敗だった。
レイバン・ディスプレイを掛けたインフルエンサーによる調理デモでは、AIをほぼコントロールできなかった。リストバンドを装着したザッカーバーグ氏は、ボズワース最高技術責任者(CTO)とのビデオ通話に失敗した。
二人ともカンファレンス会場のWi-Fiの不具合が原因だと説明したけれども、後で取材したところによれば、実は社内で失敗の背景を探るのに躍起になっているとのこと。
スマートグラスの存在感が目立った今回のカンファレンスを俯瞰するなら、ひとまずこう言えるだろう。
メタは従来通り、収益のほとんどをインスタグラム(Instagram)でリール動画をスクロールしたり、フェイスブックのフィードに出てくる広告をクリックしたりするユーザーに依存している。そしてそのエコシステムはアップル(Apple)とグーグル(Google)に握られている。
ザッカーバーグ氏が欲しいのは、自分たちで完全にコントロールできる次なるプラットフォーム。グラス製品がまさにそれだ。そこを狙う明け透けな野心は以前と全く変わっていない。
残る問題は、(メタが本社キャンパスを置く)メンローパークの外にいる人たちが顔にコンピューターを装着したいか、とりわけメタのロゴ入りのそれを身に着けたいかどうか、だ。
ザッカーバーグ氏発言の中でサプライズはあった?
彼が口にしなかったことの方がよっぽど驚きだ。
ザッカーバーグ氏はスマートグラスを「全ての人々にスーパーインテリジェンス(超知能)を届けるための理想的なフォームファクター(仕様ないし規格)」だと強調したものの、それが本当は何を意味するのかは語らなかった。
すでにさまざまな形で報道されている通り、メタは人間の知能を超える知性を備えたスーパーインテリジェンスの開発・構築に取り組む新組織「メタ・スーパーインテリジェンス・ラボ(Meta Superintelligence Labs)」を数カ月前設立したばかり。
143億ドルという巨額出資と引き換えにメタに合流したスケール(Scale)AIのアレックス・ワン氏を新組織の責任者に就任させ、オープン(Open)AIのテクニカルスタッフとして対話型AI「ChatGPT」の開発初期を支えたシェンジア・ジャオ氏をチーフサイエンティストに据えるなど、競合企業からAIリサーチャーやAIエンジニアをかき集めた。
にもかかわらず、そうしたオールスターチームが何を構築しようとしているのか、それがスマートグラス製品を必要不可欠なものとするどんなAI機能に変わるのか、内奥を垣間見ることは全くできなかった。
もしかしたらそれを期待するにはまだ早すぎるのかもしれない。でも、可能性にとどまることなく本当に新たなプラットフォームを実現する気があるのなら、今回のカンファレンスは(新組織設立から間もなく話題性もあり)何かしら片鱗を覗(のぞ)かせるのに絶好のタイミングだったはずだ。
来年まで待たないといけないのかなと考えている。
今回のカンファレンスを経て、メタの先行きの見通しに変化はあった?
ディスプレイ内蔵の新型スマートグラスを消費者にとって手頃な価格で出荷するに至ったことは称賛に値する。799ドルは高級アクセサリーの価格水準であり、アーリーアダプターに受け入れられる可能性はあると思う。
これからグーグル、もしかしたらアップルも似たようなグラス製品を出してくる可能性があり、その意味ではメタにとっては良いタイミングでの市場投入になるのではないか。
とは言うものの、ハードウェアが全てではない。成否を左右するのは、コンピューターを顔面に装着する選択を正当化できるような、AIを駆使する用途だ。
(コンシューマー向けハードウェアを展開する)メタ、グーグル、アップルのうち、AI分野で先をゆくのはグーグル。AI技術の品質で大幅に競合をリードすることなしに、今回のスマートグラスがテック好き、ガジェットマニアの域を超えて広がる展開は想像しがたい。
自分としては、今回のレイバン・ディスプレイは「前菜」の位置づけ。スーパーインテリジェンス・ラボが仕込み中の「メインディッシュ」がこの後出てくるかどうかが見ものだ。
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