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利上げ決定、この「金利上昇」局面をチャンスにつなげる4つの選択。”負の側面”ばかりではない | Business Insider Japan

金利上昇局面において、「利息を受け取る」側面もある点は見過ごされがちだ。Nユニバース/シャッターストック日本銀行は12月19日の金融政策決定会合で追加利上げを決定し、政策金利は約30年ぶりに0.75%まで引き上げられた。金利上昇は、住宅ローンの返済額が増えるといった「負の側面」ばかりが注目されがちだ。しかし、視点を変え、「利子を受け取る側」になることを意識すれば、その不安は和らげることができる。主要銀行の「住宅ローン」、2025年10月の金利はどうなった? 変動金利は"足踏み"、固定金利は"底上げ"へ | Business Insider Japan近年、日本の金利動向は大きく変化している。日本銀行は12月19日の金融政策決定会合で追加利上げを決定し、政策金利は約30年ぶりに0.75%まで引き上げられた。長期金利(10年物国債利回り)も節目とされる2%到達が視野に入り、これも約18年ぶりの水準となっている。こうした金利上昇を受けて、特に住宅ローンを組んでいる人や、これから組む予定の人の中には、将来的な金利上昇への不安を感じている人も少なくないだろう。激変緩和措置もあるとはいえ、変動金利型ローンの金利が上がれば、毎月の返済額が増え、家計を圧迫するイメージがどうしても連想されやすい。しかし、金利上昇は必ずしもマイナスばかりではない。実は、金利が上昇する局面においても、家計の資産を守るだけでなく、収入や資産を増やすチャンスにつなげることも可能だ。低金利環境は「家計」を圧迫してきた金利上昇に対する不安の核心は、主に「負債(ローンなど)に支払う利息が増えること」にある。しかし、日本の家計全体でみると、「利息を支払う」側面だけでなく、「利息を受け取る」側面もある点は見過ごされがちだ。国民経済計算(SNA)統計を用いて、日本全体の家計の「利子収支(利子所得)」を確認すると、この点はより明確になる。利子収支とは、家計が受け取る利息(預貯金や債券の利息など)から、支払う利息(住宅ローンやその他の借入金の利息)を差し引いたものだ。図表1:家計の利子収支注:値はFISIM調整前。2015年度基準の値。資料:内閣府これを見ると、日本の家計は1990年代後半以降、利子収支がマイナスの状態にあることがわかる。低金利によって支払う利息は減ってきた一方、受け取る利息も大きく減少し、結果として後者の影響の方が大きかったためだ。日本の家計は金融資産が負債を大きく上回る「資産超過」である。しかし、その資産の多くは超低金利の預金で占められており、一方で住宅ローンによる利子支払は残る。このため、家計の利子所得はネットでマイナスとなってきた。長年続いた低金利環境は、家計が利子から得られる所得を圧迫してきたといえる。金利上昇は「利子収入」の機会に近年の金利上昇により、今後は状況が変わる可能性がある。特に、住宅ローン残高よりも預貯金や金利連動型資産が多い家計にとっては、受け取る利息の増加が支払利息の増加を上回り、利子収支がプラスに改善するチャンスが生まれつつある。一方で、金融資産の構造は世帯ごとに大きく異なり、金利上昇の恩恵が均一に行き渡るわけではない点には留意が必要だ。現役世帯は住宅ローンなどの負債を抱えるケースが多く、金利上昇によるデメリットを受けやすい。一方、高齢世帯は一般的に資産を多く保有し、金利上昇の恩恵を受けやすいとされるが、その中でも高資産層と低資産層の格差は大きい。要するに、金利上昇によるデメリットへの不安が大きい場合でも、金利上昇によって「利子を受け取る側」になる資産構成へと、少しずつでもシフトしていくことで、家計の資産は防衛される。状況によっては、資産や利子収入を増やす機会にもつながりうる。金利上昇局面で検討したい4つの選択金利上昇局面においては、その恩恵の受けやすさやリスクの大きさに応じて、以下のような選択肢が考えられる。1. 定期預金預入期間中は金利が固定されるが、普通預金よりは金利が高い。メリット:預入期間中の金利が固定され、一定限度額まで元本保証がある。デメリット:金利上昇の恩恵を受けにくく、途中解約時には不利となる場合がある。※なお、定期預金では固定金利型が一般的だが、変動金利型も存在する。ただし、取り扱う金融機関は限られている。2. 個人向け国債(固定金利型・3年/5年)定期預金より金利が高い場合が多いが、購入時の金利が満期まで固定される。メリット:国が全額保証し、元本割れがない。1年経過後は額面で換金可能。1万円から購入でき、少額から段階的に組み入れやすい。デメリット:金利上昇局面では受け取る利息は増えず、大きなリターンは期待できない。3. 個人向け国債(変動金利型・10年)半年ごとに金利が市場金利に連動して見直される。メリット:金利上昇の恩恵を直接享受でき、国が全額保証。1年経過後は額面で換金可能。1万円から購入でき、少額から段階的に組み入れやすい。デメリット:ローリスク・ローリターンであり、大きな収益は期待しにくい。発行後1年間は換金できない。※なお、国債には市場価格が変動する「新窓販国債」もあるが、本稿では金利上昇に対する家計の防衛策として、元本割れリスクのない個人向け国債に焦点を当てている。4. 変動利付債券ファンド定期的に金利が見直される変動利付債券に投資し、金利上昇に伴って利息収入の増加が期待できる。メリット:金利上昇時に利息収入が増え、債券価格の下落影響を受けにくい。デメリット:運用コストや信用リスクがあり、元本保証はない。番外編. 銀行株(金融株)金利上昇により銀行の利ざやが拡大し、業績改善期待から株価が押し上げられる可能性がある。メリット:業績改善の恩恵を直接受けやすい。配当利回りが高い銘柄もある。デメリット:株価変動リスクがあり、景気全体の動向に左右される。元本保証はない。※なお、より幅広い選択肢として、MMF(マネーマーケットファンド)、外貨建て商品、インフレ連動国債なども考えられるが、これらはリスクや仕組みがやや複雑で、別途詳細な検討が必要。家計の国債保有が近年増加の兆し上記の選択肢の中でも、近年注目され始めているのが個人向け国債だ。日本銀行の資金循環統計を見ると、家計の国債保有額は近年増加に転じており、金融資産に占める割合も少しずつ高まりつつある。金利のある世界に備える動きが、家計レベルでも徐々に広がっているようにみえる。図表2:家計の国債保有額注:値はFISIM調整前。2015年度基準の値。資料:内閣府個人向け国債は、定期預金や普通預金よりも金利が高く設定される傾向がある。とりわけ変動金利型であれば、金利上昇に伴って受け取る利息も増え、家計の利子収支改善を支える可能性がある。金利上昇時に、最も直接的かつ心理的なヘッジとなりやすい商品として選ばれているのだろう。流動性の面でも、個人向け国債は1年経過後であればいつでも額面で換金可能だ。ライフイベントなどで急に資金が必要になった場合にも対応しやすく、「使わない定期預金」の代替として位置づけられている可能性もある。なお当然ながら、個人向け国債はすべての家計に適した商品とは断定できない。高いリターンや値上がり益を積極的に狙う場合、利回りが低く価格変動もない個人向け国債は物足りない可能性がある。また、発行後1年間は換金できないため、近い将来に資金を使う予定がある場合には注意が必要だ。不安を和らげる「転ばぬ先の杖」金利上昇は、住宅ローンの返済額が増えるといった「負の側面」ばかりが注目されがちだ。しかし、視点を変え、「利子を受け取る側」になることを意識すれば、その不安は和らげることができる。変動金利型個人向け国債など、金利上昇の恩恵を受けやすい資産を取り入れることは、金利上昇リスクに対する堅実な守りとなると同時に、資産形成を進めるための一つの攻めの手にもなりうる。発想を転換し、日本の家計全体の利子収支が今後改善に向かっていく可能性に目を向けたい。2025年11月、銀行「預金金利」ランキングTOP3。ソニー銀行、10年定期で"独走状態"を強める | Business Insider Japan #利上げ決定この金利上昇局面をチャンスにつなげる4つの選択負の側面ばかりではない #Business #Insider #Japan

利上げ決定、この「金利上昇」局面をチャンスにつなげる4つの選択。”負の側面”ばかりではない | Business Insider Japan

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2025-12-19 08:30:00

金利上昇局面において、「利息を受け取る」側面もある点は見過ごされがちだ。
Nユニバース/シャッターストック
  • 日本銀行は12月19日の金融政策決定会合で追加利上げを決定し、政策金利は約30年ぶりに0.75%まで引き上げられた。
  • 金利上昇は、住宅ローンの返済額が増えるといった「負の側面」ばかりが注目されがちだ。
  • しかし、視点を変え、「利子を受け取る側」になることを意識すれば、その不安は和らげることができる。
主要銀行の「住宅ローン」、2025年10月の金利はどうなった? 変動金利は

主要銀行の「住宅ローン」、2025年10月の金利はどうなった? 変動金利は”足踏み”、固定金利は”底上げ”へ | Business Insider Japan

近年、日本の金利動向は大きく変化している。

日本銀行は12月19日の金融政策決定会合で追加利上げを決定し、政策金利は約30年ぶりに0.75%まで引き上げられた。長期金利(10年物国債利回り)も節目とされる2%到達が視野に入り、これも約18年ぶりの水準となっている。

こうした金利上昇を受けて、特に住宅ローンを組んでいる人や、これから組む予定の人の中には、将来的な金利上昇への不安を感じている人も少なくないだろう。激変緩和措置もあるとはいえ、変動金利型ローンの金利が上がれば、毎月の返済額が増え、家計を圧迫するイメージがどうしても連想されやすい。

しかし、金利上昇は必ずしもマイナスばかりではない。実は、金利が上昇する局面においても、家計の資産を守るだけでなく、収入や資産を増やすチャンスにつなげることも可能だ。

低金利環境は「家計」を圧迫してきた

金利上昇に対する不安の核心は、主に「負債(ローンなど)に支払う利息が増えること」にある。しかし、日本の家計全体でみると、「利息を支払う」側面だけでなく、「利息を受け取る」側面もある点は見過ごされがちだ。

国民経済計算(SNA)統計を用いて、日本全体の家計の「利子収支(利子所得)」を確認すると、この点はより明確になる。利子収支とは、家計が受け取る利息(預貯金や債券の利息など)から、支払う利息(住宅ローンやその他の借入金の利息)を差し引いたものだ。

図表1:家計の利子収支

注:値はFISIM調整前。2015年度基準の値。
注:値はFISIM調整前。2015年度基準の値。
資料:内閣府

これを見ると、日本の家計は1990年代後半以降、利子収支がマイナスの状態にあることがわかる。低金利によって支払う利息は減ってきた一方、受け取る利息も大きく減少し、結果として後者の影響の方が大きかったためだ。

日本の家計は金融資産が負債を大きく上回る「資産超過」である。しかし、その資産の多くは超低金利の預金で占められており、一方で住宅ローンによる利子支払は残る。このため、家計の利子所得はネットでマイナスとなってきた。長年続いた低金利環境は、家計が利子から得られる所得を圧迫してきたといえる。

金利上昇は「利子収入」の機会に

近年の金利上昇により、今後は状況が変わる可能性がある。特に、住宅ローン残高よりも預貯金や金利連動型資産が多い家計にとっては、受け取る利息の増加が支払利息の増加を上回り、利子収支がプラスに改善するチャンスが生まれつつある。

一方で、金融資産の構造は世帯ごとに大きく異なり、金利上昇の恩恵が均一に行き渡るわけではない点には留意が必要だ。現役世帯は住宅ローンなどの負債を抱えるケースが多く、金利上昇によるデメリットを受けやすい。一方、高齢世帯は一般的に資産を多く保有し、金利上昇の恩恵を受けやすいとされるが、その中でも高資産層と低資産層の格差は大きい。

要するに、金利上昇によるデメリットへの不安が大きい場合でも、金利上昇によって「利子を受け取る側」になる資産構成へと、少しずつでもシフトしていくことで、家計の資産は防衛される。状況によっては、資産や利子収入を増やす機会にもつながりうる。

金利上昇局面で検討したい4つの選択

金利上昇局面においては、その恩恵の受けやすさやリスクの大きさに応じて、以下のような選択肢が考えられる。

1. 定期預金

預入期間中は金利が固定されるが、普通預金よりは金利が高い。

メリット:預入期間中の金利が固定され、一定限度額まで元本保証がある。

デメリット:金利上昇の恩恵を受けにくく、途中解約時には不利となる場合がある。

※なお、定期預金では固定金利型が一般的だが、変動金利型も存在する。ただし、取り扱う金融機関は限られている。

2. 個人向け国債(固定金利型・3年/5年)

定期預金より金利が高い場合が多いが、購入時の金利が満期まで固定される。

メリット:国が全額保証し、元本割れがない。1年経過後は額面で換金可能。1万円から購入でき、少額から段階的に組み入れやすい。

デメリット:金利上昇局面では受け取る利息は増えず、大きなリターンは期待できない。

3. 個人向け国債(変動金利型・10年)

半年ごとに金利が市場金利に連動して見直される。

メリット:金利上昇の恩恵を直接享受でき、国が全額保証。1年経過後は額面で換金可能。1万円から購入でき、少額から段階的に組み入れやすい。

デメリット:ローリスク・ローリターンであり、大きな収益は期待しにくい。発行後1年間は換金できない。

※なお、国債には市場価格が変動する「新窓販国債」もあるが、本稿では金利上昇に対する家計の防衛策として、元本割れリスクのない個人向け国債に焦点を当てている。

4. 変動利付債券ファンド

定期的に金利が見直される変動利付債券に投資し、金利上昇に伴って利息収入の増加が期待できる。

メリット:金利上昇時に利息収入が増え、債券価格の下落影響を受けにくい。

デメリット:運用コストや信用リスクがあり、元本保証はない。

番外編. 銀行株(金融株)

金利上昇により銀行の利ざやが拡大し、業績改善期待から株価が押し上げられる可能性がある。

メリット:業績改善の恩恵を直接受けやすい。配当利回りが高い銘柄もある。

デメリット:株価変動リスクがあり、景気全体の動向に左右される。元本保証はない。

※なお、より幅広い選択肢として、MMF(マネーマーケットファンド)、外貨建て商品、インフレ連動国債なども考えられるが、これらはリスクや仕組みがやや複雑で、別途詳細な検討が必要。

家計の国債保有が近年増加の兆し

上記の選択肢の中でも、近年注目され始めているのが個人向け国債だ。日本銀行の資金循環統計を見ると、家計の国債保有額は近年増加に転じており、金融資産に占める割合も少しずつ高まりつつある。金利のある世界に備える動きが、家計レベルでも徐々に広がっているようにみえる。

図表2:家計の国債保有額

注:値はFISIM調整前。2015年度基準の値。
注:値はFISIM調整前。2015年度基準の値。
資料:内閣府

個人向け国債は、定期預金や普通預金よりも金利が高く設定される傾向がある。とりわけ変動金利型であれば、金利上昇に伴って受け取る利息も増え、家計の利子収支改善を支える可能性がある。金利上昇時に、最も直接的かつ心理的なヘッジとなりやすい商品として選ばれているのだろう。

流動性の面でも、個人向け国債は1年経過後であればいつでも額面で換金可能だ。ライフイベントなどで急に資金が必要になった場合にも対応しやすく、「使わない定期預金」の代替として位置づけられている可能性もある。

なお当然ながら、個人向け国債はすべての家計に適した商品とは断定できない。高いリターンや値上がり益を積極的に狙う場合、利回りが低く価格変動もない個人向け国債は物足りない可能性がある。また、発行後1年間は換金できないため、近い将来に資金を使う予定がある場合には注意が必要だ。

不安を和らげる「転ばぬ先の杖」

金利上昇は、住宅ローンの返済額が増えるといった「負の側面」ばかりが注目されがちだ。しかし、視点を変え、「利子を受け取る側」になることを意識すれば、その不安は和らげることができる。

変動金利型個人向け国債など、金利上昇の恩恵を受けやすい資産を取り入れることは、金利上昇リスクに対する堅実な守りとなると同時に、資産形成を進めるための一つの攻めの手にもなりうる。発想を転換し、日本の家計全体の利子収支が今後改善に向かっていく可能性に目を向けたい。

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