サムスン電子が発表した2026年第2四半期(4月〜6月)の決算で、半導体部門の営業利益が前年同期比で250倍を超える水準に達したことが明らかになりました。AI(人工知能)向け半導体需要の急拡大が業績を大きく押し上げており、同社はAI関連の供給不足が2028年まで継続するとの見通しを示しました。
半導体部門が牽引し利益が急拡大
サムスン電子の半導体部門における第2四半期の営業利益は89.2兆ウォン(約617億ドル)に達しました。これは前年同期の業績と比較して250倍以上の急増であり、市場予想の平均値である79.3兆ウォンを大きく上回る結果となりました。
この記録的な業績は、AIプロセッサに搭載される高帯域幅メモリ(HBM)などの需要が旺盛であることによるものです。サムスン電子は、SKハイニックスなどの競合他社を追い上げる形で、AIメモリ市場におけるシェア拡大を加速させています。この好調な業績を受け、同社のグループ全体での第2四半期の売上高は前年同期比130%増の171.5兆ウォン、純利益は71.3兆ウォンとなりました。
2028年まで続く半導体の供給不足
AI需要を背景とした供給逼迫について、サムスン電子のメモリ事業担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるキム・ジェジュン氏は、アナリスト向けの説明会で厳しい見通しを語りました。
同氏によれば、「2027年の供給不足は今年よりも深刻化し、2028年も続くと予想される」とのことです。今年中に満たせなかった需要が来年以降に持ち越されることで、将来的な供給制約がさらに強まる構図となっています。同社は2026年下半期においても、AIインフラへの継続的な設備投資やエージェント型AIの普及により、サーバー分野を中心に堅調な需要が続くと分析しています。
モバイル部門への影響と市場の反応
eToroのアナリストであるジョシュ・ギルバート氏は、「一方を豊かにするチップがもう一方を苦しめており、グループはメモリ価格とハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)による需要の持続性に、これまで以上に大きく依存している」と指摘しています。
こうした業績発表を受け、市場の反応は敏感でした。投資家の間ではAI関連のインフラ投資の持続可能性や中国企業との競争激化に対する懸念もくすぶっていましたが、サムスン電子の株価は発表直後の取引で8%上昇しました。
AI市場の現状と展望
現在、主要なテクノロジー企業によるAI関連の支出が減速するのではないかという懸念が投資家の間で浮上しています。しかし、サムスン電子は今回の決算で、モバイルやPC向け需要が一部鈍化しているものの、AI関連の強固な需要がそれを補う形となり、市場全体が供給不足の状態にあることを強調しました。

競合であるSKハイニックスも同様に好調な結果を報告しており、AI需要に対応するために今年の設備投資額を約50%増額する計画を明らかにしています。サムスン電子とSKハイニックスの動向は、今後のAIインフラ構築に向けた半導体市場の供給能力を占う重要な指標となっています。
[https://www.reuters.com/world/asia-pacific/samsung-q2-profit-jumps-19-fold-ai-chip-demand-offsets-mobile-loss-2026-07-30/](https://www.reuters.com/world/asia-pacific/samsung-q2-profit-jumps-19-fold-ai-chip-demand-offsets-mobile-loss-2026-07-30/) [https://www.wsj.com/tech/samsungs-chip-earnings-push-net-profit-to-record-cf8711bc](https://www.wsj.com/tech/samsungs-chip-earnings-push-net-profit-to-record-cf8711bc) [https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-07-30/samsung-s-chip-profit-soars-over-250-fold-on-ai-memory-shortages](https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-07-30/samsung-s-chip-profit-soars-over-250-fold-on-ai-memory-shortages)