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2025-12-16 03:25:00
二人に尋ねたのは、冒険志向のクルマというブランディングを創業以来貫いてきたリビアンにとって今回のピボットは道理にかなった選択なのか、それとも消費者の需要に対応しただけの場当たり的な判断なのか、という点だ。
結論から言えば、その両方というのが二人の回答だった。
自動運転は今後「主な購入理由」に
アマゾン(Amazon)傘下のズークス(Zoox)でパーセプション(認識技術)部門のシニアディレクター、グーグル(Google)兄弟会社のウェイモ(Waymo)でソフトウェアエンジニアリング部門のディレクターを務めたフィルビン氏は、リビアンの自動運転開発は以前からの既定路線であり、一夜にして方針転換したものではないと説明した。
同氏は一方で、昨今のロボタクシーが市民権を得る展開を追い風に、自動運転に対する消費者の需要が盛り上がり、良い「波」が来ているとの現実認識も示した。
「顧客にとって、自律性は決定的に重要な購入理由の一つになり始めていると当社は認識しています。より高いレベルの自律性を備えた車両の購入者ほどその傾向は顕著です。この流れが元に戻ることはありません」
フィルビン氏によれば、リビアンの既存顧客にとって、高度な先進運転支援システム(ADAS)の装備はすでに「トップ3の購入理由」に数えられるという。
そして、そうしたニーズは全ての自動車メーカーに広がると同氏は語る。
「自律性は今後、自動車の購入を促す大きな要因になっていくと私は考えています。全ての完成車メーカーが顧客に対して何らかの形でこの手の機能を提供せざるを得なくなるでしょう」
「キラーアプリ」としての自動車
将来のクルマは基本ハンズフリーで、物理ボタンを押したりタッチスクリーンを操作したりするのは例外的なケースに限られるようになる。1年前、ベンサイド氏は筆者にそう語った。
「(手を使った操作は)不具合が生じた場合のためのもので、機能ではなくなります。自動車とのインタラクションは声でやるのが理想的ですが、今日時点について言えば、音声アシスタントは使い物になりません」
リビアンが12月11日にデモを披露した「リビアン・アシスタント」は、一部の機能を音声操作できるようにしたAIアシスタントで、まさにベンサイド氏が1年前に語っていた理想を具現化したものだ。
リビアン・アシスタントがドライバーの発話に応じてナビゲーションの経路を表示し、エアコンの吹き出し口の向きを調整する場面を、筆者も製品発表会の会場で直に見ることができた。
ベンサイド氏はその場で筆者にこう語った。
「自動車はAIにとってのキラーアプリになる(=導入と普及の起爆剤的役割を果たす)可能性が極めて高いと思っています。
毎日30分、45分とかかる通勤時間を、運転操作のためではなく自分の時間として使うことができたらと、誰もが考えているからです」
リビアンが打ち出してきた冒険志向というブランドイメージと、今回発表のようなAI推しの展開はうまく重なるのか尋ねると、ベンサイド氏からは「さまざまなタイプの顧客にインスピレーションをもたらす」ことになるとの答えが返ってきた。
「ブランドの核心部分に変化はありません。リビアンは世界を探検したい人たちのための存在であり続けたい。ただし、世界を探検する方法は一つではなくて、オフロードを走り抜ける探検もあれば、テクノロジーを通じて世界を掘り下げる探検もあります。
当社は本質的にはテクノロジー企業であって、それゆえにユーザーエクスペリエンスはテクノロジー次第で決まると考えています。自分たちがどんな企業で、世界の人々に自分たちをどう見せたいのか、それを示すのはテクノロジーなのです」
なお、ベンサイド氏の発言は、リビアンの主力製品である電動ピックアップトラックや電動SUV(多目的スポーツ車)だけでなく、ソフトウェアライセンス事業にも関係してくる。
ドイツのドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(Volkswagen)と2024年6月に発表した合弁事業は、リビアンの技術をベースにしたソフトウェアプラットフォームの共同開発が目的とされているが、そこからは他の自動車メーカーへのライセンス供与ビジネスを展開していく意図が明確に読み取れる。
そして、レガシー、スタートアップを問わずあらゆる自動車関連企業がビジネスチャンスを模索している自動運転機能も、そのソフトウェアプラットフォームに含まれてくるだろう。
ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)の自動車業界担当シニアアナリスト、スティーブ・マン氏は現状をこう説明する。
「自動運転が最終的に幅広く末端まで普及するのかどうかは現時点では何とも言えません。しかし、自動車メーカーにとって、それを追い求めない選択肢はそもそもなく、絶対不可欠の取り組みなのです。
ビジネスとしての観点から言えば、軌道に乗って普及していくかどうかは分からない。でも、程度はさておき、今投資しておかないと後れを取ることになるし、いざ自動運転を誰もが欲しがる状況がやってきた時、製品を展開できるのは今投資したメーカーだけですから」
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