2026年8月23日、グレッグ・チャッペル氏ら21人の元国際クリケット主将が、パキスタンのムハンマド・シャバズ・シャリフ首相に対し、収監中のイムラン・ハン元首相への人道的な処遇と適切な医療ケアを要請する書簡を公表した。最高裁判所の命令を巡り、政権側と家族や政党の間で対立が続いている。
元国際クリケット主将21人がシャリフ首相へ要請書簡を提出
2026年8月23日、クリケット界のレジェンドたちが再び声を上げた。元オーストラリア代表主将のグレッグ・チャッペル氏の呼びかけに応じた21人の元国際クリケット主将が、パキスタン政府のムハンマド・シャバズ・シャリフ首相宛てに書簡を送付した。彼らは、同国の元首相であり、かつて偉大なクリケット主将でもあったイムラン・ハン氏に対し、人道的な処遇と適切な医療ケアを保障するよう求めている。
書簡では、半年前に14人の元主将が同様の要請を行ったことに触れつつ、新たに7人の元主将が加わった背景として、直近で起きた一連の病院移送問題を挙げている。
21人の元国際クリケット主将は公開された書簡の中で、イムラン・ハンは73歳であり、現在すでに3年以上を拘禁下で過ごしていると述べ、彼の事件を巡る法的な議論や政治的な議論がどうであれ、裁判所が命じた医療プロセスが確実に完了するようにするという基本的な良識は、彼らの見解では物議を醸すような要求ではないと主張している。
最高裁判所の命令と病院での検査を巡る対立
今回の書簡の背景には、最高裁判所の命令が十分に履行されたなかったという懸念がある。最高裁判所の3判事によるベンチは、健康状態への懸念が繰り返し提起されていたイムラン・ハン氏を、アディアラ刑務所からイスラマバードの民間医療施設であるシファ国際病院へ2日以内に移送し、専属医や実姉のウルズマ・ハン氏を含む医療委員会による検査を行うよう命じていた。しかし、当局は命令された民間病院ではなく、金曜日に政府系のパキスタン医科学研究所(PIMS)へ同氏を連れて行き、短い検査を行っただけで刑務所へと連れ戻した。
イムラン・ハン氏の政党であるパキスタン・テリーク=インサフ(PTI)の法的顧問であるナエム・パンジュタ氏は土曜日、政府、法務情報大臣らを対象とした不法行為に対する法的措置(蔑視請願)を提起したと発表した。PTIの指導者であるスハイル・アフリディ氏も、政府が最高裁の命令に違反したと非難している。さらに、イムラン・ハン氏の実姉であるウルズマ・ハン氏は、実弟が刑務所で「繰り返し拷問を受けている」と記者団に語った。一方、情報大臣のアタウラ・タラル氏は、シファ病院におけるセキュリティ上のリスクを理由にPIMSでの検査となったと説明している。
政府の釈明と家族・政党側の主張の乖離
パキスタン政府の情報省は、家族やPTI側による「残酷さ、精神的拷問、懲罰的な独房監禁、医療の怠慢」という主張について、刑務所や医療記録に裏付けられていない根拠のないものであると書面で拒絶した。政府側は、イムラン・ハン氏が受刑者として処遇されていると説明し、2023年の収監以来、家族や弁護士、医師などから900回以上の面会を受けており、定期的な家族との面会や電話連絡も認められていると主張した。また、食事や運動器具、読書資料なども提供されているとしている。
主治医であるファイサル・スルタン医師は、シファ国際病院でハン氏を待っていたものの、最終的にハン氏がロウワルピンディのアディアラ刑務所に送り返されたと述べた。情報省は、医師による検査の結果、ハン氏に医学的異常や即時のケアを要する問題は見つからなかったとし、健康状態に問題はないと発表している。
長期化する収監と今後の動向
イムラン・ハン氏の年齢は73歳であり、すでに3年以上もの期間を拘禁下で過ごしている。軍部との対立の末に失脚し、政治的な動機に基づくものだと同氏が主張する容疑により、2023年8月から投獄されている。一連の逮捕や収監は、軍事施設への襲撃を含む全国的な抗議活動を引き起こしてきた。
元クリケット主将たちによる今回の書簡は、国内外で高まる同氏の健康と処遇への懸念を改めて浮き彫りにしている。署名者らは、最高裁が命じた独立した医療委員会による完全な健康評価の実施、週ごとの家族面会の確実な履行、そして推奨される治療の遅滞なき提供を求めている。また、PTIの指導者らは、今回の病院移送を巡る一連の対応が圧力を一層強め、9月27日に予定されている抗議活動に向けた準備を加速させる要因になると指摘している。