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三菱電機が東大発AIスタートアップ「燈」に50億円を投じたワケ。求めたのは実装力や「爆速」カルチャー | Business Insider Japan

三菱電機の漆間啓社長(写真左)と、燈の野呂侑希社長。撮影:松本和大「初めて会ったとき、何かをやりそうな面構えをしていた。『俺がやるぞ』という顔をしてやってきたので、それをまず気に入りました」三菱電機の漆間啓社長は、東京大学発のAIスタートアップ・燈(あかり)の野呂侑希社長との出会いをそう振り返る。三菱電機は1月、燈への50億円の出資を発表した。2022年に三菱電機がグローバル・ブレインと共同設立したCVCファンド「MEイノベーションファンド」の運用総額も50億円で、同ファンドと同規模の金額を1社に投じたことになる。3月17日の会見では、出資の背景にある三菱電機の狙いに加え、燈をどう評価したのか、今後どの領域で協業を進めていくのかが説明された。フィジカルAIの到来で、なぜ「AI企業」は日本の職人技を欲しがるのか | Business Insider Japan黒字経営を続ける東大発スタートアップ「燈」とは燈は建設業界向けのDX支援から事業を始めた。撮影:松本和大燈は、当時21歳の学生だった野呂社長が2021年2月に立ち上げた、東京大学発のAIスタートアップだ。建設業界向けのDX支援から事業を始め、現場の課題を起点にデータ活用やAI導入を進めてきた。会見で野呂社長は、創業初期には建設関連企業を一社ずつ回りながら現場のデータを集め、ソリューションを提供していったと説明。その後、工場リニューアルや生産ライン計画といった案件にも携わるようになり、現在は製造業も含めた「ものづくり産業全体」を対象にしているという。同社が強みとしているのは、現場で得た情報をデータ化し、デジタルツイン上でシミュレーションや検証を行ったうえで、その成果を実際の現場に反映するスピードや実装力だ。燈は、デジタルツイン上でのシミュレーションや、それを現場に反映する力に強みを持つ。撮影:松本和大創業以来、赤字を出すことなく黒字経営を続けている点も特徴のひとつだ。従業員数は400人を超え、その約半数をエンジニアが占める。三菱電機の漆間社長は、燈に出資した理由として、AIに特化したスタートアップであることに加え、業界を絞って実績を積み上げてきた点や、経営の安定感などを挙げた。さらに、燈が次の対象として電機業界を見据えていたことも決め手のひとつだったという。漆間社長は、三菱電機が持つ知見を共有しながら一緒に進めることで、両社の発展につながるのではないかと期待感を示す。フィジカルAIでの協業と、立ちはだかる「3つの壁」三菱電機と燈は、主にフィジカルAI分野で協業する。撮影:松本和大今回の協業でまず想定されているのは、工場内物流の自動化など、製造現場でのフィジカルAI実装だ。フィジカルAIについて漆間社長は、「今年はフィジカルAIの元年になるとみていて、どんどん進展していく」と語った。目指すのは、現場の知見を取り込みながら、よりスムーズに動く現場をつくることだ。将来的には、ヒューマノイドロボットによる部品のピッキングや投入とも連携し、材料発注や需要予測も含めて現場全体をより自律的に動かす世界観を描いている。もっとも、フィジカルAIの実装は簡単ではない。会見では、「データ」「自動化」「安全」という「3つの壁」も示された。装置の中に蓄積されたデータを使える形で引き出すこと、現場のノウハウや暗黙知を取り込むこと、さらにロボットや人が混在する環境で安全性を確保することが課題になるという。三菱電機によれば、フィジカルAIには「3つの壁」がある。撮影:松本和大こうした壁を越えるため、三菱電機は1月に新組織「AXC」を立ち上げた。AI戦略室や生産技術センターなどを統合し、社内のAI技術を横断的に扱う体制を整えた形だ。一方で、すべてを自前でまかなうのではなく、燈の技術も取り込む。漆間社長は、AIエージェントやデジタルツイン、ロボットAI化など、燈が強みを持つ領域を挙げ、自社技術との掛け合わせに期待感を示した。三菱電機が欲した「爆速」のカルチャー燈が掲げる5つの行動指針のひとつに「爆速」がある。撮影:松本和大また、今回の協業で三菱電機が燈に期待する要素のひとつが、そのスピード感だ。三菱電機はここ数年、「循環型デジタル・エンジニアリング企業」への変革を掲げ、デジタル基盤「Serendie(セレンディ)」の構築や、工場・インフラの制御システム向けセキュリティ企業である米Nozomi Networksの買収など、デジタル化の布石を打ってきた。一方で、大企業の組織運営の中では、意思決定や開発のスピードをどう高めるかが課題になりやすい。漆間社長は会見で、燈が掲げる5つの行動指針のひとつである「爆速」というキーワードに触れ、自社の現状を率直に語った。「当社では『爆速』と言っても口だけの話になってしまい、なかなか進みません。しかし、燈を見ていると本当に爆速だと思っています。彼らと掛け合わせることで、我々も爆速に近づきたい」(漆間社長)三菱電機によると、複数の工場で実証を進めており、工場内の自動搬送車(AMR)の動きをデジタル上でシミュレーションすることで、AMRの稼働率が5割改善したケースもあるという。すでに協業の成果が具体的な数値として出始めているという。撮影:松本和大漆間社長は「遅くとも6カ月以内には、さまざまなものをデジタル化・事業化していくことを目指したい」と語り、意欲を見せた。 #三菱電機が東大発AIスタートアップ燈に50億円を投じたワケ求めたのは実装力や爆速カルチャー #Business #Insider #Japan

三菱電機が東大発AIスタートアップ「燈」に50億円を投じたワケ。求めたのは実装力や「爆速」カルチャー | Business Insider Japan

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2026-03-18 00:50:00

三菱電機の漆間啓社長(写真左)と、燈の野呂侑希社長。
撮影:松本和大

「初めて会ったとき、何かをやりそうな面構えをしていた。『俺がやるぞ』という顔をしてやってきたので、それをまず気に入りました」

三菱電機の漆間啓社長は、東京大学発のAIスタートアップ・燈(あかり)の野呂侑希社長との出会いをそう振り返る。

三菱電機は1月、燈への50億円の出資を発表した。2022年に三菱電機がグローバル・ブレインと共同設立したCVCファンド「MEイノベーションファンド」の運用総額も50億円で、同ファンドと同規模の金額を1社に投じたことになる。

3月17日の会見では、出資の背景にある三菱電機の狙いに加え、燈をどう評価したのか、今後どの領域で協業を進めていくのかが説明された。

フィジカルAIの到来で、なぜ「AI企業」は日本の職人技を欲しがるのか | Business Insider Japan

フィジカルAIの到来で、なぜ「AI企業」は日本の職人技を欲しがるのか | Business Insider Japan

黒字経営を続ける東大発スタートアップ「燈」とは

燈について
燈は建設業界向けのDX支援から事業を始めた。
撮影:松本和大

燈は、当時21歳の学生だった野呂社長が2021年2月に立ち上げた、東京大学発のAIスタートアップだ。建設業界向けのDX支援から事業を始め、現場の課題を起点にデータ活用やAI導入を進めてきた。

会見で野呂社長は、創業初期には建設関連企業を一社ずつ回りながら現場のデータを集め、ソリューションを提供していったと説明。その後、工場リニューアルや生産ライン計画といった案件にも携わるようになり、現在は製造業も含めた「ものづくり産業全体」を対象にしているという。

同社が強みとしているのは、現場で得た情報をデータ化し、デジタルツイン上でシミュレーションや検証を行ったうえで、その成果を実際の現場に反映するスピードや実装力だ。

強み
燈は、デジタルツイン上でのシミュレーションや、それを現場に反映する力に強みを持つ。
撮影:松本和大

創業以来、赤字を出すことなく黒字経営を続けている点も特徴のひとつだ。従業員数は400人を超え、その約半数をエンジニアが占める。

三菱電機の漆間社長は、燈に出資した理由として、AIに特化したスタートアップであることに加え、業界を絞って実績を積み上げてきた点や、経営の安定感などを挙げた。

さらに、燈が次の対象として電機業界を見据えていたことも決め手のひとつだったという。漆間社長は、三菱電機が持つ知見を共有しながら一緒に進めることで、両社の発展につながるのではないかと期待感を示す。

フィジカルAIでの協業と、立ちはだかる「3つの壁」

協業領域
三菱電機と燈は、主にフィジカルAI分野で協業する。
撮影:松本和大

今回の協業でまず想定されているのは、工場内物流の自動化など、製造現場でのフィジカルAI実装だ。

#三菱電機が東大発AIスタートアップ燈に50億円を投じたワケ求めたのは実装力や爆速カルチャー #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

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