ウクライナの首都キーウで、主要な橋を標的としたロシア軍のドローン攻撃が4日連続で続いている。4日にはピヴニチニー橋が攻撃を受け2人が負傷したほか、交通インフラへの打撃が深刻化している。事態を受け、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相がキーウを電撃訪問し、追加支援を表明した。
ドイツ・メルツ首相がキーウを電撃訪問
ロシアによる攻撃が続く中、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が4日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問した。メルツ氏はウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナへの連帯を改めて強調した。メルツ氏は自身のソーシャルメディアで「ウクライナは決定的に重要な数週間を迎えている。私たちを頼りにしていい」と発信し、ドイツの安全保障もこの戦争の行方に左右されるとの認識を示した。ゼレンスキー氏は、13億ユーロ(約2300億円)超の新たな支援パッケージでドイツと合意したと明らかにしており、これには兵器供与や冬に向けたエネルギー部門への支援が含まれている。
橋の構造的被害と今後の物流維持策
専門家の間では、今回のドローン攻撃で橋が即座に崩落する可能性は低いとの見方が示されている。しかし、繰り返し攻撃を受けることで構造が弱まり、通行の長期的な停止を余儀なくされる恐れがある。キーウ市当局は、東西の移動を維持するために仮設の浮橋設置やフェリーの運航、さらには川底トンネルの建設といった対策を計画している。クリチコ市長は、現在の街の状況を「極めて深刻」と表現しており、交通インフラの維持が喫緊の課題となっている。
ウクライナとドイツの間で結ばれた新たな支援パッケージには、今すぐ必要な兵器に加え、冬の到来を前にエネルギー部門を支援するための物資が含まれている。

ロシア側の報復措置と外交的な緊張
ロシア国防省は4日、ウクライナ各地への攻撃を強化すると発表した。これはゼレンスキー氏がロシアの製油所への攻撃を強化すると表明したことに対する報復措置であるとしている。ロシア外務省は3日、外交官を含む外国人にキーウから退避するよう警告を発したが、これに対し欧州連合(EU)のカタリナ・マテルノヴァ駐ウクライナ大使は、代表部がキーウにとどまる姿勢を明言した。ドイツのボリス・ルーゲ駐ウクライナ大使もこれに同調しており、国際社会はウクライナ支援を継続する構えを見せている。今後もロシア軍によるインフラ攻撃と、それに対するウクライナ側の防衛・復旧作業という消耗戦が続く見通しだ。