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2025-11-14 02:00:00
- ロシア政府は、幼稚園児に愛国心を教える試験的な教育プログラムを正式に開始した。
- 「大切なことについての会話」という名のこのプログラムは、3〜7歳の子どもが対象だ。
- これは、プーチン大統領がロシアの国家的アイデンティティと戦争行為への国内支持を強化しようとする動きの中で行われている。
ロシア教育省によると、全国100の幼稚園で開始した新たな試験的プログラムは、3歳の幼児に「立派な市民」になることを教え、「ロシアの文化と歴史への敬意を育む」ことを目的としている。
ウクライナ占領地域でも
「大切なことについての会話(Conversations about Important Things)」と題した一連の授業は、ロシアの占領下にあるウクライナのドネツク、ルハンスク、ザポリージャのほか、モスクワ、カリーニングラードをはじめ、少なくとも17のロシアの州・自治区にある3〜7歳の学校で試験的に導入された。
ロシアのセルゲイ・クラフツォフ(Sergey Kravtsov)教育大臣は2025年8月、この授業について「カラフルなイラスト、インタラクティブな課題、ゲームの要素を取り入れ、幼い子どもたちに合わせた内容にする」と語った。
「これにより、子どもたちは情報をより良く吸収し、人生において大切な価値観を正しく理解し、最終的には自国の立派な市民として成長できるだろう」とクラフツォフ氏は述べた。
教育省によると、このプログラムには市民意識、道徳、家庭に関する授業も含まれるが、その狙いは「祖国への愛」を育むことにもあるという。
高校では2022年から必修科目
ロシアの国家的アイデンティティや過去の戦争行為を称えるこのプログラムは、ロシアがウクライナに侵攻した2022年以降、高校では必修科目となっている。

その教育を幼稚園にまで拡大したのは、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が2024年10月、このプログラムを「国内の最も幼い子どもたち」にまで広げることを支持すると発言したためだ。
プーチン大統領は、例えば第二次世界大戦に関する児童向け教科書の中で、ソビエト連邦がスターリングラードの戦いで被った甚大な損失について触れられていないことに失望していると述べた。
10月に行われたロシアの教師たちとの会合で、プーチン氏は「これらのことはすべて、当然ながら、最も幼い年齢から基本的なことを教え込まなければならないことを示している」と指摘したうえで、「しかし、繰り返すが、すべては理性の範囲内でなければならない」と語った。
SNSにあふれる「戦争授業」投稿
教育省は、この試験的な授業にどのような活動が含まれるのかについては具体的に明らかにしていない。しかし、一部のロシアの幼稚園・保育園のSNS投稿を見ると、2025年8月の時点で、すでにこれらのプログラムの一部を自主的に導入している様子が伺えた。
亡命したロシアのジャーナリストたちによって設立された独立系メディア、ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ(Novaya Gazeta Europe)は、すでに2024年10月には、560を超えるロシアの幼稚園や保育園が「大切なことについての会話」を導入したと投稿していたと報じた。
同メディアは、戦争をテーマにした授業に関する1万以上の幼稚園が行ったSNS投稿を分析した。その結果、少なくとも1万9000件の活動が、ロシアによるウクライナ侵攻を支持する内容であることが分かった。
ロシア版フェイスブックと言われるヴコンタクテ(VKontakte)でBusiness Insiderが確認したほかの投稿では、ウクライナで戦っているとされるロシア兵とビデオ通話をする子どもたちや、ロシア国旗に敬意を表して整列する園児たちの写真が掲載されていた。
包帯の巻き方から装甲車ゲームまで
例えば、ロシア南西部のオレンブルク州のある幼稚園は2024年10月、「大切なことについての会話」の一環として、地域の農業について話し合う授業を実施したと投稿していた。また、園児たちが地域の紋章を掲げている写真も投稿した。
クルスク(Kursk)の別の幼稚園は、アフガニスタンで従軍した元ヘリコプター操縦士を招き、子どもたちに話をしてもらったと書いていた。その投稿によると、彼は「大祖国戦争(第二次世界大戦)の英雄たちや、特別軍事作戦(ウクライナ侵攻)の参加者たちの武勇をテーマにした自作の詩を朗読した」という。
2025年1月には、ヴォログダ(Vologda)市も声明の中で、市内すべての幼稚園が「大切なことについての会話」の一環として、愛国的かつ戦争をテーマにした授業を計画していると発表した。
声明では「子どもたちには大祖国戦争の英雄たちや軍人の仕事、英雄都市(モスクワやサンクトペテルブルクなど、過去の戦争で勇敢に戦った都市)、記念碑、軍事的功績に対する勲章・表彰などについて教える予定だ」と、第二次世界大戦に言及していた。
独立系ロシアメディアのエージェンシー(Agency)の分析によると、ヴォログダ市の授業では軍事勲章について学ぶほか、子どもたちに包帯の巻き方を教えたり、装甲車に関するゲームを取り入れたりしていたという。
ウクライナでは現金渡して勧誘
こうした動きはすべて、ロシアがウクライナでの戦争に対する国内の支持を強化するために総力を挙げる中で進められている。ロシアはまた、ウクライナの占領地域の住民を同化させるため、親たちに現金を支給してロシアが管理する学校に子どもを通わせるよう促している。
ウクライナとの戦闘で多大な費用がかかる歩兵突撃戦術に依存しているクレムリンにとって、国民の支持は特に重要だ。この戦術には、民間人から継続的に新兵を確保し続けることが不可欠だからだ。
ウクライナの情報機関によると、ロシアは多額の入隊一時金や、負傷・戦死した兵士の家族への支払いによって、徴兵目標を繰り返し達成してきた。報道では、ロシアは2025年、新たに34万3000人の兵士を募集する計画だという。
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