クリス・ロックが描くハリウッドの裏側と主演起用の舞台裏
クリス・ロックが求める人物像
ロックは、トロント国際映画祭でのワールドプレミア後に、自身が求める人物像について語っている。「私は自分がまだ見たことのないものを作りたいんだ」とロックは述べており、複雑で自己破壊的なキャラクターを体現できる俳優を探していた。
I like to make things that I haven’t seen, Even silly movies like ‘CB4,’ I haven’t seen it, so let’s make it. Chris Rock, Director
ロザリンド・エレザールのミスティ役
英国の女優ロザリンド・エレザールは、初めて脚本を読んだ際の声のトーンについて振り返っている。「私たちの業界のダークな側面をこれほど正直で生々しく捉えた作品に、私はすっかり圧倒された。ミスティに恋をしたの。彼女は複雑で、矛盾に満ちていて、流動的なキャラクターで、私は愛しにくいキャラクターに惹かれるのよ」と彼女は語った。
過激な役柄への挑戦と現場でのエピソード
“it’s a very risqué part.”
Chris Rock, Director
ロックは、エレザールが役作りのために「下着姿でバルコニーでタバコを吸うか」「お金のために床で喧嘩をするか」という点に不安があったが、実際には彼女がやりすぎてしまい、「ロザリンド、服を着なさい」と言ってカットしたヌードシーンがあったというエピソードを明かした。
作品の内容とキャスト
A24公開の『Misty Green』
A24が10月9日に公開する『Misty Green』は、エミー賞を受賞したドラマの役柄で知られる元Aリスト女優ミスティが、自身のキャリアを立て直そうとする姿を描いたダークでコミカルな風刺劇である。物語の中でミスティは、家を追い出されそうになり、精神病棟から出たばかりの双極性障害の兄ジェイ(ダニエル・カルーヤ)を支援しなければならず、さらに元同僚のザック(アダム・ドライバー)からドバイのパーティーで高額な報酬を得られるセックスワークの誘いを受けるなど、困難な状況に置かれている。また、ミスティは過去に衣装担当者を殴って映画をクビになったという攻撃的な評判を持っており、それが仕事探しを困難にしている。
本作には、ミスティのエージェント役のトファー・グレイス、セリーヌ役のエイミー・ランデッカーのほか、アナ・ケンドリック、クリス・ロック、アレクサンドラ・シップ、トレイシー・トムズ、ネカー・ザデガン、リッチ・ソマーらが名を連ねている。トファー・グレイスは、脚本にあるハリウッドの描写が「映画で見るよりも現実に近い」と称賛し、エイミー・ランデッカーは、ロックが描く「ある日にどれほど屈辱的な気分にさせられるか」という視点が「正確だ」と語った。
クリス・ロックの進化と背景
2014年の『Top Five』以来の監督作
本作は、ロックが2014年の『Top Five』以来、監督を務めた作品である。ロックは、若い頃にラスベガスでコメディアンとして活動していた際、ストリッパーや娼婦、マジシャンたちと夜を過ごしていた実体験を物語に反映させた。また、かつて有名人や富豪の愛人だった女性たちが、生き残って成功していた姿を時折見かけた経験も基にしている。
現在61歳となったロックは、自身の変化について「人間としてよりオープンになり、より多くの本を読み、より多くのものを書くようになった」と述べ、「(監督として)より優れた人間になった」と語った。彼は現在の創作意欲について、「トゥパックのように、撃たれる前に書き尽くそうとしている」と表現している。