ニューヨーク市保健局は7月21日、マンハッタンの北東部(アッパー・イースト・サイド)で発生したレジオネラ症の集団感染により、これまでに5人が死亡したと発表した。同局によると、確認された感染者数は合計82人にのぼる。
ニューヨーク市マンハッタンでレジオネラ症の集団感染、5人が死亡
レジオネラ症は、レジオネラ属菌による深刻な肺炎の一種である。今回の集団感染は、主にカーネギー・ヒルおよびヨークビル地区(郵便番号:10028、10128、10075)で記録されている。 USA Todayによると、感染した82人のうち8人が現在も入院しており、56人が退院した。また、13人は入院の必要がなかった。
汚染源の特定と対策
保健当局は、感染源として当該地域のビル屋上に設置された冷却塔(クーリングタワー)を特定した。ニューヨーク市保健局の発表によれば、33棟のビルに設置された34基の冷却塔から生きたレジオネラ属菌が検出された。
ニューヨーク市保健委員のアリスター・F・マーティン博士は、「検査と修復の積極的な戦略を通じて、感染源を排除したと考えている」と述べた。汚染が確認されたすべての冷却塔および関連するビルについては、すでに洗浄と消毒作業が完了している。 People.comによると、過去6日間は新たな感染診断が出ておらず、10日間以上新たな症状の報告もないことから、保健当局は事態が収束に向かっているとの見方を示している。
レジオネラ症の症状と予防
レジオネラ症は人から人へ感染することはないが、レジオネラ属菌が繁殖した温水システムの飛沫(微細な水滴)を吸引することで感染する。冷却塔のほか、ホットタブや噴水なども感染源となり得る。

メイヨークリニックによると、主な症状には頭痛、筋肉痛、発熱、咳、息切れ、胸痛、吐き気、混乱などが挙げられる。保健当局は、対象地域に滞在歴があり、インフルエンザに似た症状がある場合は直ちに医療機関を受診するよう呼びかけている。
市民生活への影響と当局の対応
市当局は、今回の事態を受けて市民の不安を払拭するため、日常生活への影響がないことを強調している。ニューヨーク市保健局は、「レジオネラ症はビルの配管システムに起因するものではない」とし、水道水の使用や入浴、調理、家庭用エアコンの使用は安全であると明言した。

NBC New Yorkによると、ゾーラン・マムダニ市長は、「私たちは引き続き冷却塔の検査を行い、保健法を厳格に執行していく」と述べ、犠牲者への哀悼の意を表した。
米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、レジオネラ症は治療可能であるが、適切な処置がなされない場合、合併症により患者の約10%が死亡する可能性がある。今回の集団感染を受け、当局は今後も監視を継続し、規定に違反するビル所有者に対しては責任を追及する姿勢を示している。
