米国の経済指標が予想より堅調であることが示され、ニューヨーク証券市場で「無着陸(ノランディング)」シナリオが広がっている。連邦FOMCの相次ぐ金利引き上げにもかかわらず、米国の成長率はコロナ19以前よりはるかに高い。通常、金利引き上げを断行すれば、景気は鈍化する。コロナ以後、米国連盟は基準金利を非常に攻撃的に上げた。一度になんと0.75%ポイントを上げるジャイアントステップの引き上げまで何度も断行した。米国の基準金利が5.5%まで上がると、相当数の経済専門家らは景気低迷を警告した。
金利引き上げが景気低迷を追いやってくるという多くの経済専門家たちの見通しと診断は外れた。むしろ国民所得・雇用・成長・輸出など各種マクロ経済指標がむしろ熱く盛り上がっている。米国経済がインフレ圧力が緩和され、雇用市場が着実な成長を続けながら、無着陸、すなわちノーランディングを行うという見通しに力が載っている。
米国連盟は定期的にベージュブックを発表している。ベージュブックは米国内の12の連邦準備銀行(ヨンウン)が担当地域別に銀行と企業、専門家などを接触して最近経済動向を収集した経済動向関連報告書だ。ヨンジュンはFOMCで通貨政策を決定する際、ベージュブックを重要な指標と見ている。北朝鮮で米国全域の景気が悪いことが分かったら、米国連준は金利引き下げを、逆に景気過熱の兆しが見えれば金利引き上げを断行する。ヨンジュンの10月のベージュブックでは、景気鈍化または停滞の兆候を全く見つけることができない。 9月に続いて11月にもう一度金利引き下げを断行しようとした連준FOMCとしては計画を全面修正するかもしれない。今回の報告書は来月6~7日開かれる11月FOMC会議を控えて出た。ヨンジュン周辺では11月FOMCで金利凍結説が広がっている。
ヨンジュンの今回のベージュブックを覗いてみると、米国の経済活動は依然として堅調だ。一部の地域では緩やかな成長が見られた。企業の雇用は全体的にわずかに増加した。労働需要は多少緩和されたが、解雇は制限的に維持されている。労働市場が悪化する兆しはほとんど見られなかった。サンフランシスコでは一部の雇用主が過去1年間保留していた採用を始めた。凧は12の地域全体の賃金は一般的に緩やかまたは中程度の速度で上昇し続けた。これは米国経済が強い成長を続けている可能性を示唆する。企業が米国大統領選挙などの高い不確実性にも長期展望に対して楽観的だということだ。企業が楽観的見通しを維持したのは、借入費用の下落と追加金利引き下げに対する期待感によるものだ。まさにこういう点で、ノランディングシナリオはさらに広がっている。
景気とは国民経済の総体的な活動水準をいう。生産・消費・投資・雇用など実物部門と通貨など金融部門そして輸出入など対外部門の活動を網羅したマクロ経済変数の動きが総合されたのだ。試合は循環する。月が冷えたら、傾いて元気な月が再び冷えるように、拡張-過熱-収縮-回復-拡張のサイクルを繰り返す。それが経済学の景気循環論であり、景気変動論である。実質GDPが変動している間、いくつかのマクロ経済変数は実質GDPと強い規則性を示しながら一緒に変動する傾向を示す。
実質GDPが増加する上昇局面では、経済の動きが徐々に活発になり、消費と投資が増え、失業は減少し、物価は徐々に上昇する。同時に金利は上昇し、通貨量は増える傾向を示す。下降局面では、経済変数が上昇局面と反対方向に移動する。実質GDPが増加する上昇局面では、人々の所得が増え、消費が増加する。企業利益も増加し、投資と雇用が増加する。企業の投資増加は資金市場の需要増加をもたらし、これに伴い金利が上がる。
企業の生産と投資拡大は新規雇用を創出して失業の減少をもたらす。銀行など金融機関は企業と消費者への融資を増やし、活発な信用創造は通貨量を増大させる。増えた通貨は株式市場や不動産市場に吸収され、資産価格の上昇につながる。このような要因は総需要を増大させ、総需要がこのように大きく増加すれば物価が上昇するだろう。物価が上がると人件費が上がる。企業は雇用を減らす。このようなメカニズムを通じて景気が循環・変動するのだ。
潜在成長率はまさにこのような景気循環の輪だ。ある国が持っているすべての生産要素を正常に稼働し、インフレなしで達成できる生産レベルが潜在GDPだ。競技が長期間高空行進をすると完全雇用水準の生産量を達成した潜在GDPを上回る現象が発生する。
実質GDPと潜在GDPの違いをGDPギャップと呼ぶ。潜在GDPは、景気失業がゼロである自然失業率状態での生産量と定義される。実質GDPと潜在GDPの差は物価暴騰や景気低迷で現れる。 GDPギャップが正(+)の値であれば、生産要素を正常より高い割合で活用している景気過熱(インフレギャップ)状態とみることができる。逆に、GDPギャップが負(−)の値であれば、生産要素を使い果たしていない景気後退(デフレギャップ)状態とみなすことができる。まさにこのメカニズムで試合は循環することになる。
創造的破壊を唱えたシウムペッターは、経済状況が正常なレベルを正常(normal)またはバランス(equilibrium)状態と見て、試合を正常レベル以上(above-normal)と正常レベル以下(below-normal)に区分した。彼は、正常レベル以上の期間を好況期(prosperity)と沈滞期(recession)に、正常レベル以下期間を不況期(depression)と回復期(recovery)に区分した。彼は経済が首脳から遠く離れるほど上昇傾向・下落傾向は鈍化し、正常に復帰しようとする力がより大きく作用すると主張した。
景気循環論に照らしてみれば、ノランディングは幻想だ。上昇すると下落し、下落すると上昇するのが経済学の原理だ。飛行機も同じだ。一度空に上がった飛行機は、燃料を使い果たすと必ず降りてくる。地上に降りて給油をしなければ再び上がることができるのだ。長期間のノランディングという概念は経済学には存在しない。飛行機が空中に留まり続けると、油が落ちる瞬間に一度に墜落することになる。これを経済学ではハードクラッシュランディングまたは硬着陸と呼ぶ。
米国の大恐慌も、ノランディングの錯覚が負った人材だった。第一次世界大戦以降、戦後の需要爆発で景気が長期間高空行進をすると、経済学界の一部では景気循環論が間違っているという主張が出た。供給は需要を創出するという、いわゆる「聖の法則」が大勢に浮上した。各国政府もノランディングの幻想の中で景気活性化政策を続けた。そして1929年10月、暗黒の木曜日の株価が暴落し、全世界が創卒間に大恐慌に陥った。長すぎるノランディングは結局破綻につながるというのが大恐慌の教訓だ。
キム・デホグローバルエコノミック研究所長 [email protected]
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