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2025-11-10 01:30:00
- マッキンゼーの最新の報告書で、企業がマーケティングテクノロジーの効果測定に苦労していることがわかった。
- 企業は2027年までにマーケティングテクノロジーに2150億ドルを使用するとみられている。
- AIエージェントが投資とリターンのギャップを埋めるのに役立つとマッキンゼーは述べている。
世界の企業は2025年にマーケティングテクノロジーに1600億ドルを費やし、その金額は2027年までに2150億ドルに増加すると、マッキンゼー(McKinsey)は予測している。ということは、マーケティングテクノロジーはこれらの企業が莫大な利益を上げるのに役立っているに違いない。
しかし、本当のところは誰もわからない。
マッキンゼーは最近、マーケティングテクノロジーやアドテックツールやサービスに年間50万ドル以上を投じる、グローバルマーケティングとテクノロジー分野のシニアリーダー233人に調査を行った。10月21日に発表されたこの調査報告書の中では、マッキンゼーはフォーチュン500企業のシニアマーケター50人に詳細なインタビューも行っている。そこで明らかになったのは、投じた金額とリターンについて定量化する方法を明確に説明できる人が誰もいないということだ。
だが、マッキンゼーがインタビューを行ったマーケティングの意思決定者の4分の1以上は、マーケティングテクノロジーへの支出額が今後3~5年で最大25%増加すると予測しており、投資収益率(ROI)のブラックホールが悪化する可能性がある。
報告書の著者によれば、問題の核心のひとつが、メールキャンペーン管理ソフトからウェブサイトのパーソナライズ化やマーケティング分析ツールまで、これまでのテクノロジーへの投資が、企業のマーケティングテクノロジースタックを膨れ上がらせ、ツールがサイロ化していることだ。マッキンゼーの調査では、マーケティングテクノロジーの幹部の47%が、「スタックの複雑さ」とシステムとデータの統合の課題がこれらのツールの価値の把握を妨げていると答えた。
マーケティングテクノロジーへの投資価値の定量化を試みる際、企業はよく間違った方法を行っていることも、マッキンゼーの調査でわかった。
一部のマーケティングチームは、メールの送信と開封率、インプレッションなどの指標を単に測定しており、これらの数値を増分収益成長や顧客生涯価値などの戦略的なビジネス成果に結び付けようとはしていない。そして多くは、ライセンスやサブスクリプションのコストのみを考慮して、それらのツールの統合や維持に関するより広範な投資について考慮しない。

その結果、多くの企業幹部はマーケティングテクノロジーの支出を、成長の原動力ではなく「事業運営のコスト」とみなしており、マッキンゼーは報告書の中で、強力な経営陣の支援が欠けていることが多いと指摘した。
「企業幹部は、これを実装して価値を引き出すために本当に必要なものを過小評価している。小切手を切るだけではいけない」とマッキンゼーのパートナーでこの報告書の共同著者であるロバート・タス(Robert Tas)はBusiness Insiderのインタビューで語った。
タスはマーケティングテクノロジーのジレンマを、新しいトレーニング機器を購入しても、異なる筋肉群を鍛えるためにエクササイズを交互に行わない人々に例えた。同様に、企業は事業全体にわたるツールの継続的な学習と統合に投資する必要がある。調査対象だった、マーケティングテクノロジーの購入者・意思決定者のおよそ3分の1(34%)は、その価値を引き上げる上で、スキル不足の人材が障害になっていると回答した。
「多くの人々は高価なツールを購入しても、その能力の10~15%しか使っていない」とタスは指摘した。
「冬タイヤのない車を買って、正しいものを買わなかったことによって冬に運転できないようなものだ」
AIエージェントがあなたを診断
希望はある。それはAI(人工知能)にある。
マッキンゼーの報告書ではマーケティングチームがデータの収集、クレンジング、統合などのタスクを自律的に管理するためにAIの「オーケストレーション・エージェント」を使う事例が紹介されている。「デザイン・エージェント」は、パーソナライズされた提案やメッセージを生成できる。別の2つのエージェントは、どのマーケティングチャンネルやメディアが最も機能するかをテストして管理できる。それらのエージェントはすべて、マーケティングテクノロジースタック全体を監督する「ガバナンスレイヤー」によって管理されているとマッキンゼーは述べている。
現状のAIエージェントでの効果はまだ結論が出ていない。
マーケティングテクノロジーとCRM企業のセールスフォース(Salesforce)は、同社のプラットフォーム「エージェントフォース」でのAIエージェントに全力で取り組んでいる。だが、同社のマーク・ベニオフ(Mark Benioff)CEOは10月、AIの進化は顧客の採用を「はるかに上回っている」と述べた。
ヴァージン・ボヤージュ(Virgin Voyages)などの一部の企業は、代理店コストを削減し、マーケティング制作のスピードを上げるため、AIエージェントを導入しているが、期待したほど効果がなかったとという。フィンテック企業のクラーナ(Klana)を見てみよう。同社はAIによってマーケティングチームの規模を半減させ、カスタマーサポート部門の人員を置き換えることもできたと述べ、早い段階で注目を集めた。だがその後、同社のCEOはコストカットが行き過ぎたことを認め、カスタマーサービスに従業員を再配置した。
OpenAIの共同創業者のアンドレイ・カルパシー(Andrej Karpathy)は最近、AIエージェントが認知の課題を克服して機能できるようになるには約10年かかるとポッドキャストのインタビューで語った。
「AIエージェントは十分な知能がなく、マルチモーダルも十分ではなく、コンピューターの使用などもできない」
タスによれば、AIエージェントを正しく使えば、企業がマーケティング技術スタックを整理するのに役立つという。重複するツールを排除し、事業部門間で異なるデータセットを統合できるのだ。しかし、長年の人間による統制やプロセスが邪魔をする場合、こうした点と点を繋ぐのは難しい。
「これは我々のチャンスだ。あらゆる聖域に挑み、『必ずしもこうである必要はない』と声を上げる絶好の機会だ」とタスは語った。
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