テキサス州のマイケル・チッティ退任判事は、カルメロ・アンソニー被告による再審請求を棄却した。この決定により、アンソニー被告に対する殺人罪での有罪判決と禁錮35年の実刑判決が維持されることとなった。
再審請求の争点と判決
アンソニー被告の弁護側は、法廷内での制限や被告不在のまま行われた審問、および元弁護人と検察側の間で交わされていた口頭合意の取り扱いが、被告の権利を侵害したと主張していた。元主導弁護人のマイク・ハワード氏とトビー・シュック氏は、フリスコで開催された陸上競技大会のテント下で起きた衝突に焦点を絞る限り、アンソニー被告が証言することを認める合意があったと証言した。弁護側は、アンソニー被告が正当防衛を主張するために証言することを想定していたとしている。
一方、検察側のビル・ウィルスキー氏は、アンソニー被告やその母親の証言によって、性格に関する証拠が不適切に提示されることを懸念していたと述べた。チッティ判事は、申し立てや裁判記録、証拠、議論、関連法などを検討した上で請求を棄却したが、命令書に詳細な理由は記されていない。コリン郡のグレッグ・ウィリス地方検事局は、この決定は想定内であったとして尊重する意向を示している。
公開された双方の背景情報
再審請求の審問では、当初は陪審員や公衆に伏せる合意がなされていた、被告および被害者のオースティン・メトカーフ氏の暴力的な背景に関する報告書が公開された。

弁護側が提示した資料によると、メトカーフ氏は過去に兄弟と共に「KKK kill all blacks」や「Heil Hitler」などの人種差別的な落書きをしたとして、12か月の少年保護観察処分を受けていた。また、学校の記録では、教師への暴言や、銃を学校に持ち込むことについて話していたため停学処分を受けたこと、怒りの制御に関してカウンセラーの面談を受けていたことなどが明らかになった。

対して検察側は、アンソニー被告が被害者を刺殺した2025年4月2日の当日、午前1時に「限界に近い(lowk on the verge)」というメッセージを送信していたことや、数時間前には当時の交際相手から「ストーキング行為」に及んでいるとの報告が高校職員になされていたことを提示した。さらに、2023年にはテキサス州オースティンにある他人の家に破壊工作を行うと友人に語っていたことなどが、CBS Newsが報じた裁判資料によって明らかになった。