スイスとイタリアを結ぶ全長120キロメートル(76マイル)のベルニナ急行は、世界で最も美しい景観を誇る鉄道の一つに数えられています。ユネスコ世界遺産にも登録されたレーティッシュ鉄道を走り、55のトンネルと196の橋を越えながら、アルプスの氷河から温暖なイタリアの風景へと劇的な気候と景観の変化をもたらします。
氷河からイタリア風の景観まで変化する76マイルの旅
スイス最古の町クールを出発した列車は、標高2,253メートルのオスピツィオ・ベルニナへと登り、国境を越えてイタリアのティラノに至ります。ラック式鉄道ではなく、ループ橋や高架橋、螺旋トンネルといった巧みな土木技術で急勾配を克服しているのが特徴です。
オリバー・コークヒルレオ・トリッピCEOは、AOLの報道の中で、ベルニナ急行から見える景色は、他の多くの景勝路線よりも変化に富んでいると述べています。
同氏はまた、クールを出発して山岳峠や氷河を抜け、ポスキアーヴォやティラノ周辺の柔らかなイタリアの風景へと下っていく過程が、この路線の最大の魅力であると指摘しています。
ユネスコ世界遺産を彩る土木遺産と冬の魅力
2008年以降、アルブラ線とベルニナ線はユネスコの世界遺産に登録されています。ルート上には、高さ65メートルの印象的なランヴァッサー高架橋や、限られた空間で高低差を稼ぐために建設された円形のブルージオ橋など、数々の著名な構造物が点在しています。
コークヒル氏は、どの季節に乗ってもそれぞれの良さがあるとしながらも、冬の時期には凍結した湖や雪に覆われた森林、高い山岳峠が特別な魅力を醸し出すと語っています。
朝には厳冬期のエンガディン地方を出発し、数時間後には穏やかなポスキアーヴォやティラノに到着するという一日のなかでの温度差や景色のコントラストは、冬のシーズンに最も顕著に現れます。
乗車料金と旅行者が知っておくべき実用情報
ベルニナ急行の運賃については、スイス国内の鉄道やバス、ボートを網羅するスイス・トラベル・パスを利用してカバーすることが可能です。パスを利用しない場合、一等および二等の往復チケットはおよそ279米ドルおよび162米ドルとなります。

運賃の支払い方法に関わらず、乗車には事前の座席指定が必須となります。指定料金は季節によって変動し、50米ドルから55米ドルの間です。
| 座席クラス | 往復運賃(目安) |
|---|---|
| 一等 | 約279米ドル |
| 二等 | 約162米ドル |
また、車窓からの景色について、コークヒル氏は左右どちらの座席であっても見どころが次々と移り変わるため、特定の座席にこだわる必要はないと助言しています。ただし、冬季に旅行する際は、車内は暖房が効いているものの、途中の高所駅で下車する際には気温が急激に変化するため、適切な重ね着用の衣類を持参することが推奨されています。
スロートラベルとしての運行形態と周辺の選択肢
ベルニナ急行は、その低く穏やかな速度によって乗客に気候や標高の変化をじっくりと味わう時間を提供する、スロートラベルの象徴的存在です。しかし、主要な観光地であるサンモリッツなどを起点に何度も途中下車をしながら旅程を組む旅行者にとっては、全区間を直通するベルニナ急行よりも通常の地域列車の方が実用的である場合もあると、情報源は伝えています。