ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナによるロシア経済施設へのドローン攻撃を非難し、これに対してウクライナの「最も敏感な経済セクター」へ報復攻撃を行うと警告した。プーチン氏は、ウクライナ側が「パンドラの箱」を開いたと述べ、緊張がさらに高まっている。
「パンドラの箱」と経済インフラへの報復
プーチン大統領は、ロシアの国営テレビジャーナリストや、ジャーナリストのパベル・ザルビン氏とのインタビューの中で、ウクライナがロシア国内の経済目標を攻撃したことに対し、強い口調で反発した。プーチン氏は、ウクライナが石油精製所やオンライン小売業者の倉庫などを標的にしている現状を指摘し、「キエフ政権は我々の経済を傷つけようと画策した。その結果どうなったか。彼ら自身がこのパンドラの箱を開けてしまったのだ」と語った。その上で、「よく考えろ。彼らは報復を期待すべきだ。最も敏感な経済セクターを標的にする」と述べ、ロシア側もウクライナの経済的な弱点を突く報復措置に出る姿勢を強調している。


この発言は、ロシア国防省がミサイル発射の映像を公開し、「常に答えはある。あなた自身がパンドラの箱を開いたのだ」というメッセージを添えたこととも呼応している。ロシア側の主張によれば、ウクライナの攻撃目的はロシア経済の崩壊にある。プーチン氏は、ウクライナが「長い間、これを夢見ており、常にそれについて話している」と語った。また、ロシア側は報復として、ウクライナの農工業複合体を含む経済の最も脆弱なセクターを標的にする方針を示唆しており、特に農産物の輸出はウクライナにとって最も重要な収入源であると指摘している。ロシア国防省は、ロシア軍がウクライナ軍の無人航空機の発射地点や、ウクライナ軍の利益に関与する港や船舶への攻撃を継続していると報告した。
サマラ州での被害と衝突の激化
ロシアの地域当局によると、土曜日にはウクライナのドローン攻撃により少なくとも8人の民間人が死亡した。この攻撃はロシアのオンライン小売業者オゾン(Ozon)が所有する倉庫や、サマラ州の工業施設を直撃した。サマラ州のヴィアチェスラフ・フェドリシチェフ知事はTelegramへの投稿で、ノヴォクイビシェフスク市への攻撃により高齢の女性が死亡し、工業施設に被害が出たと報告した。これに対し、ウクライナ軍は同市の石油精製所を攻撃し、火災を引き起こしたと発表した。この一連の攻撃は、金曜日に複数のロシア製ドローンがウクライナ中央部のショッピングセンターを攻撃し、少なくとも16人が死亡、130人以上が負傷した後の出来事である。

世界市場への影響と和平交渉の前提
プーチン氏は、一連の攻撃が引き起こしている物流の混乱について言及しつつも、世界的な食料不足の懸念を否定した。大統領は「我々は確かに商品の配送に関して課題に直面しているが、これらの問題を解決する。したがって、世界市場で不足が生じることはない」と述べ、ロシアがウクライナの輸出分を代替できるとの見通しを示した。ロシアとウクライナはかつて、黒海を経由する穀物輸出を保護するためのトルコ仲介の合意を遵守していたが、ロシアは2023年にこの合意から離脱している。
また、和平交渉の可能性についても改めて言及したが、その条件は明確にされている。プーチン氏は、ウクライナ側が仲介者を通じて提案しているとされる「エキゾチックな」提案を退け、交渉はあくまで「現場の現実」に基づくべきだという立場を繰り返した。