科学&テクノロジー

ビオジャージャー1が光日を一日空に

7月 18, 2026 / nipponese
ボイジャー1号、地球から「光で1日」の距離へ到達へ

ボイジャー1号、地球から「光で1日」の距離へ到達へ

NASAのボイジャー1号は、2026年11月18日午前2時16分(太平洋標準時)、地球から約160億9479万9096マイル(約259億キロメートル)の地点に到達する見通しです。この距離は、光が地球から宇宙空間を1日かけて進む距離に相当します。1977年の打ち上げから49年以上の飛行を経て、人類が製造した物体として初めて「光で1日」の距離という前人未到の節目を迎えることになります。

ボイジャー1号、地球から「光で1日」の距離へ到達へ
Photo: Spacedaily

通信の物理的限界がもたらす変化

このマイルストーンは単なる象徴的な記録ではありません。それは、地球と宇宙探査機との間の通信における物理的な制約を意味します。NASAの運用チームが地球からボイジャー1号へコマンドを送信した場合、信号が探査機に届くまで1日、そして探査機からの応答が地球に帰還するまでにさらに1日を要します。 ボイジャー計画のマネージャーであるスージー・ドッド氏はCNNに対し、月曜日の朝に「おはよう」と送信した場合、その応答が届くのは水曜日の朝になると述べ、往復で48時間を要する通信環境であることを説明しています。これまで月面など身近な宇宙空間では即時的な通信が可能でしたが、ボイジャー1号は、光の速さですら人間が運用を行う上では「遅い」と感じられる領域に到達しようとしています。

過酷な環境下で続く半世紀のミッション

1977年9月5日に打ち上げられたボイジャー1号は、当初、木星と土星のフライバイ(接近通過)を目的として設計されました。1979年に木星、1980年に土星を観測するという本来の任務を終えた後も、探査機は太陽系の外側へ向けて飛行を続けてきました。 2012年8月には、太陽圏(ヘリオスフィア)を脱出し、恒星間空間に到達したとされています。しかし、探査機の稼働状況は年々厳しさを増しています。長年の放射線曝露や老朽化に加え、放射性同位体熱電気転換器(RTG)による電力供給が年々低下しているためです。

過酷な環境下で続く半世紀のミッション
Photo: ScienceBlog.com

電力管理と運用継続への挑戦

限られた電力を維持するため、NASAの運用チームは科学観測機器を順次停止するという苦渋の決断を繰り返してきました。2026年4月17日には「低エネルギー荷電粒子観測装置(LECP)」が停止されました。現在、ボイジャー1号で稼働している科学観測機器は、磁力計とプラズマ波サブシステムの2つのみとなっています。 さらに、NASAは探査機の寿命を2030年代まで延ばすため、「ビッグバン」と呼ばれる大規模な再構成計画を準備しています。これは、ヒーターや電源コンポーネントを同時に調整することで約10ワットの電力を節約し、アンテナの向きを維持するために不可欠なスラスターラインの凍結を防ぐための高難度の操作です。この戦略はまずボイジャー2号でテストされ、その後ボイジャー1号に適用される予定です。

電力管理と運用継続への挑戦
Photo: ScienceAlert

未来へ託されたメッセージ