東太平洋で発生したハリケーン・マリーの影響により、南カリフォルニア沿岸地域で高波や浸水被害が発生しています。嵐自体は南カリフォルニアから数百マイル離れた海域に留まり弱まり続けていましたが、もたらされた熱帯の湿った空気によって、土曜日の夜から日曜日にかけてベンチュラ、サンタバーバラ、オレンジ、サンディエゴ、リバーサイド、サンバーナーディーノの各郡で大雨や雷雨に見舞われました。
沿岸部での浸水とインフラへの影響
特に沿岸部では激しい波による被害が出ています。シールビーチ(Seal Beach)では、土曜日にピア(桟橋)付近の駐車場で浸水が発生し、車両1台が浸水に巻き込まれました。ビデオ映像には、約12人の人々が協力してその車両を安全な場所へ押し出す様子が記録されています。この影響で、8番街と10番街の駐車場は水曜まで閉鎖されることになりました。シールビーチの住民クリフォード・スカーボロウ氏は、通常は1〜2フィート程度の波であるところを、今回の嵐で「クレイジー」な状況になったと述べています。
また、ロングビーチ(Long Beach)でも深刻な影響が出ています。日曜日の満潮時間を前に、海水が海岸沿いの住宅を保護するための壁を越えて流入しました。特にベルモント・ショア付近のペニンシュラ地区では、波が低い擁壁を乗り越えて住宅に危険なほど接近し、市当局は安全上の理由からボードウォークを閉鎖しました。ロングビーチ市議会のクリスティーナ・ダガン議員は、今後24〜48時間は潮位の上昇とうねりが予想されるとして、住民以外の方は状況確認のために同エリアへ来ることを避けるよう呼びかけています。
高波警報と救助活動の増加
米国立気象局(National Weather Service)は、ロサンゼルス、オレンジ、サンディエゴの各郡のビーチに対し、火曜日後半まで有効な高波注意報を発令しています。沿岸では最大7フィートの大きなうねりが予想されており、注意報では離岸流が広範囲にわたり非常に強く、泳いでいる人やサーファーを沖へ引きずり出す可能性があると警告されています。
こうした状況を受け、救助活動も急増しています。ロサンゼルス郡消防局の海洋ライフガード専門家ジェイク・ミラー氏によると、ズマビーチやマリブなどの一部のビーチでは、通常3〜5フィート、セットによっては6〜8フィートに達する波が見込まれています。ロサンゼルス郡のライフガードは、通常の1日あたり約500件である水難救助件数が、この連休期間中には1,000件を超えると予想しています。実際にマンハッタンビーチでは、高波と離岸流による救助活動がビデオに捉えられました。
地域別の降水量と今後の気象予測
日曜日から月曜日にかけての降水量は地域によって差がありました。国立気象局のデータによると、ベンチュラ郡では約0.25インチを記録しましたが、サンタバーバラ郡ではごくわずかな量にとどまりました。一方で、サンタモニカ山脈やサンガブリエル山脈に熱帯の湿った空気が押し上げられたため、山麓コミュニティでは日曜日夜までに最大1.5インチの降水量が予想されていました。UCの気候学者ダニエル・スウェイン氏は、今回の降雨について、洪水リスクや山火事を誘発するドライライトニング(乾いた雷)のリスクが低く、主に有益な降雨であると分析しています。


今後の見通しについては、月曜日や火曜日にも一部でにわか雨の可能性がある一方、気温の上昇が懸念されています。国立気象局は、ロサンゼルス、ベンチュラ、サンタバーバラ、サンルイスオビスポの各郡で、金曜日まで暑さが続くと予測しています。特に水曜日は最高気温が95度から105度に達する見込みで、水曜日と木曜日には沿岸部および谷地域で熱波注意報が出る確率が60%から70%となっています。
住民および訪問者への安全警告
当局は、海岸沿いのインフラや自然環境への警戒を強く呼びかけています。
- 海洋進入の制限: ロサンゼルス郡の公衆衛生当局は、嵐による流出水で細菌数が増加する可能性があるため、9月9日まで海に入らないよう注意を促しています。
- 危険区域の回避: 国立気象局は、突堤、桟橋、岩場などの水辺の構造物に近づかないこと、および危険な波を避け、決して海に背を向けないことを勧告しています。
- ビーチの閉鎖: 日曜日、マリブ市は雷による危険からビーチを閉鎖しました。また、ポイントデューム州立ビーチでは、先月に続き、高波による崖の浸食が確認されました。
現場では、シールビーチの市職員が住宅地から海へ向けて排水ポンプを作動させているほか、ロングビーチ消防局のライフガードがグラナダビーチなどで住民のために土嚢を準備し、除雪車を用いて住宅保護のための大きな砂の堤防(バーム)を構築するなどの対策を講じています。