2026年8月26日水曜日、ネパールのチベット国境付近で大規模な鉄砲水と土砂崩れが発生し、少なくとも17人が死亡した。ネパール観光局(NTB)によると、行方不明者は384人に達しており、そのうち291人が外国人観光客である。被害はネパールのラサワ地区を中心に、隣接するヌワコト地区やダーディン地区にも広がっている。
国境付近での壊滅的被害と行方不明者の内訳
今回の災害は、ネパールと中国管理下のチベットとの国境にあるヒマラヤ山脈で、岩と泥の壁が川に崩落したことで発生したとみられている。この土砂崩れが引き金となり、ボテ・コシ川に突如として大量の水が流れ込み、午前8時30分から9時頃にかけてラサワガディ・ティムレ地区などを襲った。
ネパール観光局がまとめた暫定リストによると、行方不明者384人の内訳は以下の通りである。

- 外国人観光客:291人(うちインド人が105人、非居住インド人(NRI)が37人、イギリス人が12人、アメリカ人が3人)
- ネパール人:93人
また、韓国の通信社ヨンハプは、韓国人約8人も行方不明になっていると報じている。行方不明者の多くは、チベットのカイラス山(カイラス・マンサロバール)への巡礼に向かっていた人々と考えられている。カトマンズを拠点とするTouch Kailash Travels & Toursのバシュ・クマール・アディカリ代表は、水曜日に国境を越える予定だったネパール人93人を含む巡礼者390人のうち、大部分と連絡が取れていないと述べている。
原因と地質学的背景
災害の原因について、ネパールのシシル・カナル外相は、地震によって引き起こされた雪崩が要因である可能性を示唆して国会で述べた。ドイツ地球科学研究センター(GFZ)の記録では、国境付近の監視カメラに映像が残る約7分前に、マグニチュード4.4の地震が観測されていた。
インフラへの影響と救助活動
鉄砲水は、集落、道路、橋、商店などのインフラを押し流した。特にラサワ地区のティムレやシャブルベシ地区の集落は完全に消失したとされており、少なくとも12の水力発電プロジェクトが被害を受けた。ヌワコト地区のトリシュリ・バザールでも、住宅が泥水に浸かるなどの被害が出ている。
一方で、救助活動は困難を極めている。当局によると、河川の水位が通常を大幅に上回っているため、ラサワ地区のシャブルベシやティムレなどの被災地には救助ヘリコプターが着陸できない状況にある。また、ティムレやラサワガディなどに配備されていた警察官26人も行方不明となっている。
国際的な反応と周辺地域への警戒
インドのナレンドラ・モディ首相は、ネパールのバレンドラ・シャー首相に電話をかけ、犠牲者に哀悼の意を表した。モディ首相はX(旧ツイッター)への投稿で、インドが可能な限りの人道的支援を提供し、国家災害対応部隊(NDRF)を動員する準備があることを表明した。
その他の被害として、タミル・ナードゥ州からの巡礼者約50人が、土砂崩れによるルート遮断のためネパール国内で足止めされていることがThe Hinduによって報じられた。中国側でも、チベットのギロンにある貿易拠点で土砂崩れが発生し、「重大な死傷者」が出たことが中国国営メディアによって伝えられている。