また、フォーチュン誌の報道によれば、ベタンクール氏はトランプ政権およびデルシー・ロドリゲス暫定政権の双方と緊密な関係を築いてきた。ブリュ氏は、同氏がこうした合意を仲介するうえで有利な立場にいる一方で、トランプ氏の側近やロドリゲス氏に近い一部のビジネスマンを利するインサイダー取引のようにも見えるとの懸念を示している。
アレハンドロ・ベタンクール氏とNABEPを巡る不透明な利害関係
大手石油メジャーの警戒感とエクソンモービルの慎重姿勢
こうした状況のなか、エクソンモービルやコノコフィリップスをはじめとする主要な国際石油メジャーは、今回の合意に対して強い警戒感を示している。両社はウゴ・チャベス政権時代の2007年にベネズエラ国内の資産を国有化されて以来同国を離れており、再進出にあたっては法的な確実性や契約の神聖さが完全に担保されることが不可欠条件であると繰り返し主張してきた。
さらに、地政学・エネルギーコンサルティング会社であるフォーリン・リポーツの副社長マット・リード氏は、ベネズエラが米国に対して自国の天然資源の大半の権益を譲り渡すこと自体が、ワシントンとカラカスの双方で激しい政治的論争の火種になると指摘している。
米政府が競合となる構造的リスクとUBSアナリストの指摘
独自に進行する従来のエネルギー契約と今後の見通し
ベネズエラの原油生産量は、今年に入ってから日量100万バレル強から120万バレル超へと増加しているが、これは主に既存の油田の最適化によるものであり、新規の掘削リグやチームの本格的な投入によるものではない。かつて世紀の変わり目には日量300万バレル以上を誇り、10年前でも200万バレルを超えていた同国の石油産業を完全に再生させるには、多額の新規投資と数年にわたる歳月が必要とされる。
