ドナルド・トランプ大統領は、2001年9月11日に発生した同時多発テロから25年を迎える今年、ニューヨークのグラウンド・ゼロでの式典には出席せず、ペンタゴン(国防総省)で追悼行事を行うことが明らかになった。ホワイトハウスは、大統領が当日ペンタゴンを訪問し、犠牲者を追悼し、遺族や第一線で活動した救助隊員に敬意を表する予定であることを認めている。
トランプ大統領、9.11から25年の式典はペンタゴンで NYグラウンド・ゼロは欠席へ
ニューヨークでの式典には、トランプ大統領に代わってJD・ヴァンス副大統領が出席する。また、同日には他の政府高官らがペンシルベニア州シャンクスビルでの式典に派遣される予定である。
式典での発言を巡る経緯
ニューヨークのグラウンド・ゼロでの式典を巡っては、トランプ大統領が当初出席を検討していたものの、自身の発言を希望したことが背景にあると報じられている。ナショナル・セプテンバー11メモリアル&ミュージアムが主催する同式典では、式典の非党派的かつ政治色を排除した性質を維持するため、10年以上前から政治家による演説を認めていない。
一部報道では、トランプ大統領側が同式典での演説を求めたものの、主催者側がこれを受け入れなかったために出席を見送ったと伝えられている。この報道に対し、ホワイトハウスの通信担当ディレクターであるスティーブン・チャン氏はX(旧Twitter)への投稿で「フェイクニュース」であると否定した。また、ホワイトハウスのアンナ・ケリー報道官は声明の中で、大統領は誇り高いニューヨーカーとして2001年9月11日の出来事を記憶しており、亡くなった人々を偲び、その遺族や救助活動にあたった人々に敬意を表すると述べるにとどまり、報道の詳細については言及を避けた。
今後の予定とこれまでの出席状況
トランプ大統領は、ペンタゴンでの式典に先立ち、9月9日から10日にかけてダラスで開催される共和党の中間選挙に向けた政治集会に出席する予定である。ペンタゴンでの追悼式典での演説は、こうした政治的日程の直後に行われることとなる。また、式典翌日の9月12日には、アイルランドへ向かい、同国で自身のゴルフリゾートで開催される「アイリッシュ・オープン」を訪問する計画も報じられている。

* 2017年、2019年:ペンタゴンで式典に出席。 * 2018年、2020年:ペンシルベニア州シャンクスビルを訪問。 * 2021年:ニューヨーク市内の消防署および警察分署を訪問。 * 2024年:ニューヨークのグラウンド・ゼロでの式典に出席。 * 2023年:ペンタゴンでの式典に出席。
2024年の式典には、当時大統領選の候補者であったトランプ氏のほか、ジョー・バイデン大統領(当時)やカマラ・ハリス副大統領(当時)も出席していた。なお、ニューヨークのグラウンド・ゼロでの今年の式典には、ヴァンス副大統領のほか、ママダニ市長、ルドルフ・ジュリアーニ元市長、ビル・クリントン元大統領、ジョージ・W・ブッシュ元大統領、バラク・オバマ元大統領らの出席が予定されている。
NBC NewsおよびAP通信によると、トランプ大統領は金曜日、記者団からニューヨークの式典に出席しない理由を問われた際、「私はペンタゴンに行くからだ」と答えた。25年という節目を迎える今年、アルカイダによる一連のテロ攻撃で約3,000人の命が失われ、アメリカの外交政策や国家安全保障のあり方が大きく転換されることとなった歴史的な日を前に、各所での対応が注目されている。