ドナルド・トランプ米国大統領は、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が現在直面している激しい逆風に対し、強い警告を発した。トランプ大統領はSNS「Truth Social」を通じて、FIFAの幹部らがインファンティーノ会長の解任を検討することについて、「FIFAは、もし何らかの理由でジャンニ・インファンティーノ会長の交代を検討することさえあれば、とんでもない過ちを犯すことになるだろう」と投稿した。
インファンティーノ会長への支持とトランプ大統領の警告
トランプ氏は、インファンティーノ会長を「彼は素晴らしい。史上最も成功したワールドカップを、それまでの4倍の規模で主宰したばかりだ」と称賛し、もし同氏が退任すれば「二度とこれほど成功し、収益性の高いものにはならないだろう」と主張した。この発言は、2026年に米国、カナダ、メキシコで共同開催されたワールドカップが、スタジアムを満員にし、収益記録を塗り替えたという実績を背景にしている。トランプ氏は2025年3月7日にワシントンD.C.で、2026年7月17日にはニューヨークのトランプ・タワーでインファンティーノ氏と面会するなど、関係を築いてきた。
「FIFAフォワード・エンタープライズ」をめぐる対立の構図
しかし、この提案は7月28日に明るみに出ると同時に猛烈な反発を招いた。インファンティーノ会長は提案を撤回し、マティアス・グラフストロームFIFA事務総長と共に謝罪を行ったものの、事態は沈静化していない。トランプ大統領は7月31日にこの計画について初めて言及した際、インファンティーノ氏と直接話はしていないと述べている。
各組織による辞任要求とFIFAの対応
UEFA(欧州サッカー連盟)、CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)、およびAFC(アジアサッカー連盟)は、インファンティーノ会長の辞任を求める姿勢を崩していない。これら3つの組織は月曜日の朝、各組織の会長および事務総長が署名した公開書簡を発表し、インファンティーノ氏がFFE提案を通じて「欺瞞によって」信頼を損なったと非難した。


書簡では、モロッコで開かれたFIFA管理委員会の選抜メンバーによる会議について、「FIFAの本部があるチューリッヒへ行き、スタッフと向き合うのではなく、わざわざ国外で会議を招集したことは、懸念を強めるばかりであり、我々をこの局面へ導いた行動パターンの継続に過ぎない」と厳しく指摘した。さらに、「これらはサッカーのリーダーシップにふさわしい資質ではない。我々がこの姿勢をとったのは、軽々しくでも、単独でもなく、共に、そして我々が奉仕するゲームへの義務としてである」と述べられている。
今後の見通しと分裂の可能性
UEFAは8月6日、「UEFAは土曜日の声明で、ジャンニ・インファンティーノの会長職に対する信頼を失ったことを明確にした。その立場は変わらない」と広報担当者を通じて再強調した。一部では、欧州の加盟協会が将来のワールドカップをボイコットする可能性や、インファンティーノ氏を排除したライバル大会の計画も浮上している。FIFA側は土曜日の声明で、これらの一連の動きを「インファンティーノ氏と組織を弱体化させるための、一部の者による組織的かつ継続的な努力」と表現し、反論している。
トランプ大統領の介入により、この問題は単なるサッカー界のガバナンス問題を超え、政治的な色合いを帯び始めている。2026年ワールドカップでの商業的な成功を重視するトランプ氏の支持と、FIFAの執行部によるインファンティーノ氏への「全面的な支持」を背景に、世界的なサッカー界の権力闘争は予断を許さない状況が続いている。