9月18日午前6時30分頃、ソウル中央地方裁判所の執行官らが江南区の九龍村に立ち入り、村の入り口に設置されていた監視塔と仮設テントの強制解体を開始した。現場には、瑞草警察署の隊員や機動隊を含む約250人の警察官が動員され、強制執行を支援した。この監視塔は2024年11月、九龍村総合統合住民自治委員会の委員長であるユ氏の主導で設置されたものとされる。
九龍村における強制執行の経緯
九龍村は1988年のソウルオリンピックに向けた都市美化計画により、ソウル中心部から立ち退きを余儀なくされた住民らが、九龍山の斜面に集まって形成された集落である。ソウル住宅都市公社(SH)と住民との間では、長年にわたり再開発をめぐる対立が続いてきた。SHは所得水準に応じて家賃を60〜100パーセント割引する仮設公営住宅への移転計画などを提案してきたが、住民側はこれらの提案を繰り返し拒否してきた経緯がある。
都市開発法違反と裁判所の命令
ユ氏は、許可を得ずに監視塔を建設したとして都市開発法違反の疑いで起訴された。裁判所は8月12日、ユ氏に対して監視塔の撤去を命じたものの、期限までに履行されなかったため、今回の強制執行に至った。住民の間ではこの動きを歓迎する声も多く、九龍村住民自治会のイ・ヨンマン会長は、監視塔が村の大半の住民とは関係がなく、私的開発を推進する一部のグループによるものだと指摘した。「公的開発に反発する人々は、自らの利益を守るために違法な行為にまで及んだ」とイ氏は述べ、多くの住民がこの強硬な姿勢に反感を抱いていたことを明らかにした。
イランにおける監視塔解体との対比
一方、イランでは、人道に対する罪の証拠とされるゴハルダシュト刑務所(ラジャイ・シャフル刑務所)の監視塔が解体された。同刑務所は2023年に閉鎖・避難が完了していた。イランの人権団体は、この解体が人道に対する罪の証拠を隠滅する目的で行われていると強く批判している。イラン人権局のマフムード・アミリ・モガッダム局長は、「ゴハルダシュト刑務所は、現在イスラム共和国で要職に就いている者たちによって人道に対する罪が犯された場所である」と指摘した。

かつての政治囚メフディ・アスラニ氏は、この解体について「歴史という血の地図を消し去ろうとする試みだ」と批判し、公園や教育施設を建設するという当局の再開発名目は、血に染まった過去を隠すための冷酷な皮肉であると語った。この刑務所では1980年代に数千人の政治囚が処刑されており、その中には1988年の大量処刑も含まれる。スウェーデンでの裁判で終身刑を言い渡されたハミド・ヌーリ氏も、2024年の捕虜交換でイランに送還されている。国際社会やイランの市民社会は、こうした負の歴史を象徴する場所の保存を訴え続けている。