10月11日、イリノイ州オーロラ近郊のヒンドゥー教寺院で発生した大規模銃撃未遂事件で、パラタイン在住のアレクサンドロス・パポラキス容疑者(19)が逮捕された。容疑者が所持していたライフルが作動不良を起こしたため、惨劇は未然に防がれたと当局が発表している。
作動不良のライフルとタコベル従業員の通報により防がれた銃撃計画
パラタイン警察署、クック郡州弁護士事務所、ウィリアム・ノード署長、および関係当局の発表によると、19歳のネオナチ白人至上主義者であるアレクサンドロス・パポラキス容疑者は、約2年間にわたって計画を進め、オーロラにあるスリ・ヴェンカテスワラ・スワミ(バラジ)寺院を標的に定めていた。
パポラキス容疑者は、事件当日の日曜日昼頃に自身の乗用車である赤いアキュラRDXで寺院の駐車場へ乗り付け、車内から銃撃を試みたものの、所持していたAR-15スタイルのライフルが作動不良(ジャム)を起こしたため、その場での犯行を断念してパラタインの自宅へ引き返した。
帰宅後、同容疑者はタコベルの職場で一緒だった同僚に対してテキストメッセージを送り、銃の不具合や再挑戦の意向を伝えていた。そのメッセージを受け取った同僚らが直ちに911へ通報したことで、パラタイン警察およびマウント・プロスペクト警察の警察官らは迅速に容疑者の自宅周辺へ急行し、日曜日の夕方に自宅を出発した同容疑者の身柄を拘束した。
警察が自宅アパートや車内を捜索した結果、シリアル番号の削り取られたAR系ライフル、数百発の弾薬、複数の弾倉、ガソリン携行缶、防弾ベスト、そしてナチスの象徴や白人至上主義に関連する物品が押収された。
現場となった寺院に居合わせた連下院議員の証言と連邦捜査への要請
クリシュナムルティ議員は、事件後に司法省およびFBIに対し、本件を連邦ヘイトクライムおよび国内テロ事件として捜査するよう要請したことを明らかにし、オンライン上で増幅するヘイトスピーチが銃器の蔓延と結びついて暴力へとエスカレートしている現状に強い懸念を示した。
発見されたマニフェストと全米の政治指導者による非難の声明
捜査当局が押収した電子機器や文書からは、容疑者が作成した「Why I Fought: A.K.A.: (Aurora Shooter’s Manifesto)」と題されたマニフェストが発見された。パラタイン警察署によると、この文書には白人至上主義の過激な思想や、南アジア系、特にインド系の人々に対する暴力行為を賛美する内容が含まれていた。

この未遂事件を受け、米国の主要政治家や市民団体からは激しい怒りと懸念の声が相次いだ。上院民主党院内総務で上院司法委員会のランキングメンバーでもあるディック・ダービン上院議員は、「この事件は、私たちが偏見や盲信に対して常に警戒を怠ってはならないということを思い起こさせるものである」と述べた。また、下院議員のジョシュ・ゴットハイマー氏やシュリ・タネダー氏らも、信教の自由が脅かされることなく、誰もが恐怖を感じずに礼拝できる環境を守るべきだと訴えた。

チャック・シューマー上院議員はレッドイフの取材に対し、「アメリカ国内における反インドおよび反ヒンドゥーのレトリックは憂慮すべき水準に達しており、今や私たちはその憎悪が暴力へと変わるのを目の当たりにしている。いかなるコミュニティに対する偏見もアメリカに居場所はない。私は、人種や宗教にかかわらず、すべての人が我が国において公然と生活し、信仰を実践できるよう確保することに引き続き全力を尽くす」と述べた。
さらに、シカゴ駐在のイスラエル総領事エルアド・ストロマイヤー氏も、オーロラのヒンドゥー教寺院を狙った陰謀を明確に非難する声明を発表した。市民団体「サウス・エイジアンズ・フォー・アメリカ(SAFA)」の共同ナショナルディレクターを務めるネハ・デワン氏やハリニ・クリシュナン氏らも、白人至上主義的な暴力がアイデンティティや信仰のあり方を理由にコミュニティを標的にしていると強く糾弾した。
法的手続きの行方と今後の裁判日程
クック郡の裁判所に出頭したパポラキス容疑者に対し、アンドレアナ・ツラノ準裁判官は、容疑者が自らを白人至上主義者と称していることなどを踏まえ、保釈を認めず拘留を継続するよう命じるとともに、医療上の保護措置命令を出した。同容疑者はテロ予告の容疑であるクラスX重罪および銃身の短いライフルの違法所持などの重罪に問われており、次回の公判は10月30日午前9時に予定されている。
