イラン東南部のスィースターン・バルーチェスターン州メフレスターンにおいて、イスラム革命防衛隊(IRGC)の動員部隊であるバスィージの女性部隊を率いていたアフサーネ・アキーラ指揮官が自宅外で殺害されました。イラン国営メディアの報道によると、彼女は子供たちの目の前で暗殺され、現地の警察司令官はアキーラを「信仰、勇気、犠牲の女性」と称賛し、このテロ行為を強く非難する声明を発表しました。
メフレスターンで起きたバスィージ女性部隊指揮官の暗殺と治安悪化
タスニム通信の報道では、同市内の別の場所でも警察車両に対する襲撃が発生し、治安要員が死亡したことが伝えられています。この一連の事件により、同州南部における治安状況への懸念が再び高まっており、武装組織による背後関係や支援ネットワークに関する疑問が生じていると指摘されています。

同じ日のメフレスターン市内では、警察車両が標的となる別の襲撃事件も発生しており、治安当局の要員1人が命を落としました。アルジャジーラの報道によると、これらの事件は同国とパキスタンとの国境沿いで相次ぐ一連の襲撃の一部であり、戦略的に重要なチャーバハール港周辺における治安の動揺を浮き彫りにしています。
相次ぐ武装勢力の襲撃と当局による対応
同州内では、武装組織による治安部隊への攻撃が続いており、国営メディアや人権団体の記録によれば、治安要員や軍関係者を狙った銃撃や爆破事件が相次いで発生しています。これに関連して、イラン当局は国外から支援を受ける「テロ組織」が関与していると主張しており、IRGCのクッズ部隊などはこれまでにチャバハール港周辺などで掃討作戦を実施し、容疑者の拘束や武器の押収を発表しています。

また、同州ザヘダンのクーリン地区では、IRGCが建設プロジェクトに従事していた技術者を拉致した武装グループに対する作戦を実施し、拉致された人物を救出するとともに複数の容疑者を殺害したと発表しています。IRGCのクッズ基地側は、同州における治安維持は「譲れない一線」であるとし、武装グループの追跡と報復を継続する姿勢を示しています。
犠牲者と社会的影響をめぐる動き
相次ぐ治安要員の殺害に対し、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領は、ザヘダン近郊で警察車両が狙われスィースターン・バルーチェスターン州警察本部の文化・社会問題担当副長官であるノスラト・エフテハーリーが死亡した爆弾攻撃を強く非難する声明を出しました。
「無実の人々の血を流させ、犯人らの犯罪的な本性を暴くこと以外に、無秩序や暴力の拡散を狙った盲目的なテロ行為は何の成果も生まない」
ペゼシュキアン大統領は、このような事件が治安部隊の決意を揺るがすことはないと述べ、関係当局に対して事件の徹底的な捜査と実行犯および黒幕の迅速な特定を指示しました。一方で、地元の高官や指導者層の対応を巡っては、一部の宗教指導者が特定の襲撃事件に対して公的な言及を行っていないことが議論を呼んでおり、地域社会における反応の温度差も指摘されています。
被害の全容と依然として残る不確定要素
人権活動家や独立系ネットワークの報告によると、同州内では数多くの武装衝突や死傷者が発生しているものの、公式発表と外部組織の間で犠牲者数や状況に食い違いが見られる場合もあります。反体制武装組織の連合体なども一部の襲撃について犯行声明を出しており、治安情勢は依然として緊張状態が続いています。
パキスタン国境に接する同州では、貧困問題やインフラ不足、民族的な不満を背景とした緊張が長年続いており、テロ組織の越境拠点となっているとして、イラン国内からは隣国パキスタンに対する取り締まり強化の要求も高まっています。テヘラン・タイムズの報道によると、テロ被害者の家族を代表する財団がパキスタン政府に対し、国境管理の徹底と安全な隠れ家の解体を求める公開書簡を送付しました。