2026年8月、米国とイランの紛争が経済戦争へと全面移行する中、イランのペゼシュキアン大統領は戦争の早期終結を訴え、国内の深刻な経済的困窮と燃料補助金の持続不可能性を認めた。一方、英軍資料はホルムズ海峡の商船通行量が激減している実態を明らかにし、世界的なエネルギー市場やサプライチェーンに深刻な打撃を与えている。
イラン・ペゼシュキアン大統領が訴える戦争終結と国内の経済苦境
イランのマソウド・ペゼシュキアン大統領は2026年8月、米国との戦争について、世界がイランの勝利を認めインフラ攻撃の不当性を非難している今こそ終戦を迎えるべきだと主張した。首都テヘランでの演説において、大統領は米国の軍事行動や海上封鎖がもたらした貿易への打撃や経済的圧力を直視し、社会の不満や苦境について、政府の対応が不十分であったと認めざるを得ない姿勢を示した。
市民生活は極度のインフレと物価高騰によって圧迫されており、日々の食料や医療品の購入すら困難になっている。ガソリンに対する過剰な国家補助金については、その持続可能性に疑問を呈し、政府が本来支えるべき福祉や年金などの重要プログラムの財源を圧迫していると指摘した。現場の労働者からは、私たちは事実上、多くのものを諦めざるを得なくなったという悲鳴が上がっており、タンデムで働くタクシー運転手のアーマド・カリミ氏は、タンパク質や果物を削り週末も休まずに働き続けている実態を明かしている。
米国の最大級の経済制裁とイラン側の三領域にわたる報復戦略
イランの国会議長であるモハンマド・バゲル・ガリバフは、イランやイラクのビジネス関係者に対し、米国が従来の軍事勝利の不可能な現実を悟り、認知戦および経済戦を通じて国家を内部から崩壊させようとしていると非難した。オマーンとの間では優遇貿易協定が最終合意に達しており、地域パートナーとの経済的な結びつきを強化する動きが急ピッチで進められている。
ホルムズ海峡における商船通行量の激減と海上封鎖の爪痕
6月の束の間の停戦期間中に一時的な回復を見せたものの、戦闘再開とともに通行量は再び急減し、紛争前の水準のわずか約4パーセントにまで落ち込んでいる。オマーン寄りの南側ルートは危険度が高いとして海運事業者が回避する傾向にあり、海上交通とエネルギー供給の動脈は深刻な脅威に晒され続けている。
世界的なエネルギー市場と国際サプライチェーンへの波及
専門家からは、米国による中国などの買い手に対する二次制裁やブロックが、国際的なエネルギー供給網の分断とさらなる価格高騰を招く危険性が指摘されている。今後の事態の行方は、経済制裁による耐え難い圧力がイランの政策転換を強いるのか、それともさらなる地域全体の消耗戦へと突入するのかという重大な岐路に立たされている。